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新着作品
国語教育を救え
国語学教育学界最長老の一人にして衰えることなく吠え続ける著者が、今作では国語教育に絞り、その現状を斬る。読書百遍義自ら見る――「読み書きの能力は、読み書きをすることによって育つ。」として、①とにかく読む。それも、古典を読み、模範とする。②体を使って(手書きで)書く。それなくして読み書きの能力が伸びることはないと言い切る。さらに、発問は教師の論理で作られていて、学習者の読み手としての独立した世界の可能性は無視されていると指摘。発問による授業を誤った有害な方法と断じる。(年齢等は刊行当時。)【目次】第1章
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新着作品
対話の害
哲学/思想マイケル・サンデル氏の教育実践「ハーバード白熱教室」で謳われる「対話」。しかしそれは、学生からの質問を許さず、何を考え何を考えないかの制約条件を氏が一方的に決め、学生が自由に考えることを禁じている「対話」であり、根源まで考え抜く力を鍛えるべき哲学の授業として適切なのだろうか?外国の「偉い」思想家の言うことに容易になびく「知的植民地性」を指摘し、単なるサンデル批判に留まることなく教育方法についての無自覚・無知への反省を促す、骨太な教育論。【目次】はじめに序論(導入)第一章 考える自由 ――これは尋
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短歌で読む哲学史
哲学/思想人間に 役立つものが 神である パンがデメテル 酒はバッコス……プロディコス万人が その戦いを 放棄して 自分の権利を 国に預ける……ホッブズ人間は 乗り越えられる 生き物だ その超人の 到来を告げよう……ニーチェ短歌で哲学を詠む? その破天荒な試みがもたらした絶大な効果とは!本書は高校生でも、いや好奇心旺盛な中学生でもするすると読める「哲学史」。古代ギリシアのタレスからアリストテレス、はたまた中世神学に、カント、ヘーゲル、ドゥルーズ=ガタリまでを一気に読ませる。と同時に、学説の丁寧な解説により
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大井川流域の文化 Ⅴ 弥生時代以降
考古学一般シリーズ最終巻となります。大井川上流部には水田稲作に適した土地はほとんどありません。従って弥生時代の遺跡もないという状態です。縄文人が今までと変わらない生活を続ける中で、弥生時代の土器や石器を手に入れていたのかもしれません。大井川の下流域では弥生時代中期以降の遺跡が多く発見されています。遺跡の営まれた場 所は大井川の氾濫を考えた立地で微高地や丘陵上などです。その後、島田市川根町には古墳時代初期の在地型古墳が出現しています。同様の在地型古墳は島田市や藤枝市、焼津市にも展開していきます。【目次】Ⅰ
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大地からの中国史 史料に語らせよう
歴史一般主食であるコメ・コムギの栽培から、コムギの加工食品である「餅(へい)」「麺」、農具の発展、お茶・野菜の栽培、養蚕のための桑の栽培、肥料まで、中国における農業の歴史を史料から掘り起こす。近代以前の農業は有機栽培であり、自然に存在する材料を使って作物を育て、人間や家畜の食糧・飼料とし、さらにその排泄物を作物に施して肥料にする。この自然と人間の循環関係を続ける営みは、いま注目されているSDGsの課題に正面から応えるもので、農業史研究はきわめて現代的な課題を追究する分野でもある。【目次】まえがき序章 中
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仏教は科学なのか 私が仏教徒ではない理由
宗教意識の哲学、認知科学の哲学を牽引する哲学者エヴァン・トンプソンの待望の初邦訳。本書は、仏教を「心の科学」と考える仏教モダニズムや、マインドフルネス流行に対する挑戦的論考である。仏教のとらえてきた「悟り」や「涅槃」は、脳科学によって解明できるのか。仏教における「無我」や「自我」は、現代哲学の議論とどのように関係するのか。現象学、認知科学、仏教哲学を横断しながら、仏教の教義を再検討し、現代世界の仏教哲学を提案することで東洋と西洋を超える思想を探求する一冊。【目次】日本語版序文はじめに第一章 仏教例外
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模擬授業 その効果と活用
哲学/思想今では教育界に定着している模擬授業。それは先生方を子供に見立てて授業を行う研修方法で、著者が向山洋一先生主催の勉強会で行って見せた講習会が最初でした。本書では模擬授業の成り立ちや有効性を解説するほかに、模擬授業の構成要素(第3章)などを通して、教師が授業を行う際に求められる基本のスキルがわかりやすく整理され、授業名人が長年の指導経験を経て作り上げた授業の形やコツが惜しみなく披露されています。模擬授業の活用を考えている先生はもちろん、まずは本を読み指導技術を磨きたい先生にも役立つ一冊です。【目次】
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大井川流域の文化 Ⅳ 縄文時代 後晩期
考古学一般土器づくりたちが、「どうだ、これ以上のものを作れるか」と腕を競い合ったのではないかと思われる縄文時代中期。その後葉から、寒冷化が始まったといわれています。そして、縄文時代後期・晩期と呼ばれる時期に移ります。この時期になると、作られる土器は、繊細で洗練された感じのものもありますが、これまでと比べてかなり地味なものに変わってきているように感じます。呪術具といわれている特殊な遺物が増え、寒冷化により生活が大変になってきたのだと考えられています。このような時期にも、縄文人は生活の跡を残しています。【目次
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邪馬台国の研究 歴史工学に基づく魏志倭人伝の解明
日本史一般人類が山積する複雑な多くの問題に適切に対応し「持続的で幸福な社会」を実現して行くためには、歴史の真実を知り、日本文明の原点に立ち返って、新しい文明の在り方を模索する必要があります。一方、近年、科学技術の進歩により、遺伝子の解析、超音波による地中の探査、発掘物を分析するための諸々の手法が利用できるようになり、古代史の解明に科学的なアプローチが適用できるようになりました。筆者は、古代史の真実を解明するために有効な方法論として、「歴史工学」を開発しました。本書では、長い間、論争の的となっている魏志倭人
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憶聴の法則 圧倒的に突き抜ける人の「脳」の秘密
心理一般これまでごく限られた人だけに伝えられてきた「憶聴の法則」が、ついに明かされる。日本のメンタルトレーニング研究・指導のパイオニアである著者は、50年以上にわたり「人間の成功と脳の関係」を追究し続け、多くの経営者、トップアスリート、ビジネスパーソンを成功に導いてきた。著者は「脳には、圧倒的に突き抜ける人だけが持っているものがある」と言う。その原理を徹底追究し、理論化したのが「憶聴の法則」である。「憶聴」とは、意識ではコントロールできない脳の深い領域にある特殊な記憶である。深い記憶のバイパスが、人間を