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作品説明
本書のタイトル「境界の考古学」には「考古学の境界」という意味をも含ませている。本来の意味は、もちろん地理的「境界」に関するものである。対馬は、日本列島と朝鮮半島の「境界」であり、また広くは、ユーラシア・アジアの大陸世界と環太平洋の海域世界との「境界」である。ほかにも目的によって大小いくつもの地理的「境界」を設定できようが、ただし、必ずしもそれらは文化的内容を意味するものでもない──たとえば日本文化、朝鮮文化など──ことは注意しておく必要がある。
もう一つの意味は、「考古学」という学問の「境界」に関するものである。……歴史学としての考古学にしろ、人類学としての考古学にしろ、「科学的思考」にしたがって研究するという点はなんら変わらない。ただし、先にふれたように、近代的思考そのものが問われている現在、考古学もほかの人文社会科学と同じく、複数の学問領域の知見を借りることなどによって、その問いに答えていく必要性もあるのではないだろうか。(本文より抜粋)
【目次】
はじめに──対馬という「境界」
一 考古学の「境界」──戦後対馬と日本考古学
1 戦前の対馬と考古学
2 「日本の考古学」と東亜考古学会
3 東亜考古学会対馬調査とオリエンタリズム
4 九学会連合対馬調査と「日本考古学」
5 戦後対馬調査の残したもの
二 「境界」の考古学──対馬の先史・原史・古代
1 「対馬」の誕生
2 対馬の先史
3 対馬の原史・古代
4 原史・古代対馬の集落
5 原史・古代対馬の土器
6 原史・古代対馬の金属器文化
7 まとめ──「南北市糴」の新たな可能性
おわりに──「境界」の未来