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作品説明
現代インドでは、大きく二つのタイプの仏教徒が衆目を集める存在であろう。一つはマハーラーシュトラ州を中心にマラーティー語もしくはヒンディー語を使用してアンベードカルを信奉する仏教徒で、統計上、インド仏教徒の多数派である。……もう一つはダライ・ラマ一四世を信奉する仏教徒である。いわゆるチベット仏教徒で、難民であるためインド国籍は保有していないが、おそらく国際社会の関心の最も高い仏教徒集団である。……彼らは当初、チベット独立のために闘っていたが、現在は信教の自由や生存のために闘っている。
このようにそれぞれの集団が獲得したい目標は異なるものの、インドという地でそれぞれの困難を克服するために前進し続ける集団である。インドにおける「仏教消滅」以来の歴史過程で、双方が一九五〇年代に大きな転機を迎え、よりよいコミュニティ発展のために「闘う」仏教徒であることを選択した。お分かりのことと思うが、本書でいう「闘う」という言葉は、暴力を意味するものではない。自らあるいはコミュニティの困難を乗り越えるための闘いを指す。(本文より抜粋)
【目次】
一 マハーラーシュトラ州を中心とする改宗を経た仏教徒──アイデンティティの模索者
1 改宗を経た仏教徒との出会い
2 マハールと呼ばれた人々──ナーグプル市の仏教徒
3 B・R・アンベードカルの生涯と思想
4 改宗一世代の温度差
5 アンベードカル没後のナーグプル仏教徒
6 社会経済状況、信仰、社会運動、そしてアイデンティティ
7 ナーグプル市における外国仏教団体の活動
8 よそ者の運ぶ風
二 チベット仏教徒──亡国のディアスポラ
1 チベット人との出会い
2 チベット民衆の苦難と闘いの始まり
3 亡命社会の成立と民主主義の導入
4 三権分立の確保
5 予算
6 選挙制度
7 国際社会のチベット支援とNGO活動
8 亡命チベット社会における民主化の課題
三 「よそ者」が関わる意義
1 インドにおける仏教徒連帯の萌芽
2 コネクターとしての国際NGOの役割と可能性
おわりに
注・引用文献