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アンラーニング質的研究 表象の危機と生成変化
心理一般質的研究は幅広い分野に拡大し、豊かな実践を生み出している。その一方で、方法は知らず知らずのうちに形骸化し、必要とされる変化を閉ざしてしまう可能性がある。質的研究を「アンラーニング(学びほぐし)」し、問いを創出しつづけるための本。【目次】はじめに第1章 アンラーニング質的研究第2章 質的研究の伝統第3章 質的研究の変化第4章 質的研究の弱体化に抗う第5章 社会問題を扱う質的研究第6章 質的研究者の倫理第7章 質的研究者のポジショニング第8章 ラディカルに変化する質的研究第9章 質的研究の新たな展開
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「空気の研究」の研究 ゲーム理論と進化心理学で考える大東亜戦争開戦と御聖断のサイエンス
日本現代史「空気」は理論的に説明できる!終戦の御聖断は3回あった!開戦の理由は誰もが知っていた!対日石油全面禁輸の意外な真相とは?ベンダサンの名義で語った本音!旧日本軍の一下級将校だった山本七平氏が、その生死をさまよう過酷な体験をベースにし、日本人のために全身全霊で書き上げた『「空気」の研究』。しかし、40年以上たっても、彼の労作が現実にほとんど影響を与えていないことは、極めて不思議なことであると同時に悲しいことです。本書は、このことについての私自身のための備忘録です。(「まえがき」より)【目次】まえがき
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おさなごころを科学する 進化する乳幼児観
心理一般乳幼児とは、どのような存在でしょうか。子どもの豊穣な世界や大人との違いについて、教育者だけでなく文学者から哲学者まで、さまざまに述べてきました。しかし、それらは、子どもの心の世界を客観的に検証したものというより、自分の経験や信条の上に立つ見方であったと言えるでしょう。本書は、人間の心を科学的に検討する発達心理学の視点から、乳幼児の心(おさなごころ)が大人の心とどう異なるのかを、研究の歴史的展開を追いながら、見てゆきます。乳幼児研究の基本をわかりやすく解説しながら、最先端の知見も紹介する、乳幼児心
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行動を起こし、持続する力 モチベーションの心理学
心理一般「褒美をもらうとモチベーションが高まる」「子どもはたくさん褒めて伸ばせ」「レベルの高い学校に行ったほうが学習意欲が高まる」「悲観的に考えると失敗する」「要は意識の持ち方次第だ」・・・ どれも、一般的に信じられている常識です。でも、心理学の世界では、このようなモチベーションの考え方を覆す知見が、次々と発見されています。その発見とは? モチベーションを高めるとうたう自己啓発本はたくさんありますが、心理学の知見をきちんと踏まえた一般書は、意外にもほとんどありません。新しい心理学の成果をわかりやすく理解
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自閉症と感覚過敏 特有な世界はなぜ生まれ、どう支援すべきか?
心理一般ドナ・ウィリアムズ、東田直樹……自らの困難を内面から詳しく語れる自閉症者が増え、「感覚過敏」という症状がよく知られるようになりました。これら当事者の語りから学び、かつ語ることのできない多くの自閉症者の症状を集めて分析した著者は、感覚過敏はたんなる症状のひとつではなく、それこそが自閉症の発生源ではないのか、という仮説に至ります。男性脳や現代の生育環境といった要因との関係にもふれながら、その思考と検証の過程を紹介、当事者の感じ方に配慮した支援のあり方を探ります。自閉症理解に一石を投じる書!【目次】自
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「集団主義」という錯覚 日本人論の思い違いとその由来
心理一般日本人は集団主義的で、アメリカ人は個人主義的。多くの人が無条件にこう信じています。日本人ばかりでなく欧米人も日本人は集団主義的だとして、貿易摩擦のとき非難の口実にしました。しかし、本当でしょうか? 近年、集団主義・個人主義についての実証的な国際比較研究がさかんにおこなわれるようになり、そういう研究の結果をしらべてみると、「日本人は集団主義的、アメリカ人は個人主義的」という通説はまったく支持されないのです。ではなぜ、事実に反する説が「通説」として流布するようになったのでしょうか。学問的研究ばかりで
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それは私がしたことなのか 行為の哲学入門
哲学/思想正しい行為とは何かを問う哲学書では以下のような極限的事例が議論されます。「列車が暴走し線路上に立つ5人を轢かんとしている。ただし、眼前のレバーを引けば列車は1人しか轢かない別の線路へと入る。引くべきか否か、その選択はどんな理論で正当化されるのか……」。しかし、ジレンマに陥った中での苦渋の選択というものから、倫理について多くを学べるのでしょうか。我々の目指すものは、こうした状況で躊躇せず正しい行為を選び取れる、ということではないのではないでしょうか。筆者は、我々の理解から乖離しない倫理の解明に向け
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ディープラーニング、ビッグデータ、機械学習 あるいはその心理学
心理一般インターネットが著しく発展し、膨大なデータを如何にして処理すべきかが問われるようになって、ビッグデータサイエンスに注目が集まるようになりました。大量の画像から「ネコ」を認識するニューラルネットワークがニューヨークタイムスのトップ記事になって話題を集めたのも記憶に新しいところです。ディープラーニングは大量のデータから情報を取捨選択して行動を決定している人間の情報処理過程に学びながら、性能を向上させてきました。機械学習に対して、心理学からどのような展望が描けるのでしょうか。機械学習から心理学へは、ど
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天才を生んだ孤独な少年期 ダ・ヴィンチからジョブズまで
心理一般人の発達には導き手としての大人が必要です。しかし大人の助力を十分得られなかった子どもは、独力で世界の捉え方を学び、独自の世界観を編み出していくことになる――少年期の孤独が育んだこの「心の癖」が創造性につながった、という仮説のもと、ダ・ヴィンチ、ニュートン、エジソン、漱石、アインシュタイン、ジョブズという6人の人生を生育歴から晩年まで詳細にたどっていきます。そこから浮かび上がる天才の共通構造とは? 脳科学から発達心理学に至る最新の知見と、自閉症研究者ならではの着想から生まれた出色の天才論!【目次】
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犯罪捜査の心理学 凶悪犯の心理と行動に迫るプロファイリングの最先端
心理一般世間を震撼させる凶悪犯罪は、いつの時代も後を絶ちません。なぜそのような犯罪が起こるのでしょうか。理解しがたい犯罪を犯す人間は、どんな人柄で、いったい何を考えているのでしょうか。本書の前半では、犯人像や行動を推定して検挙するための最新の科学的知見に基づくプロファイリング手法と考え方とを網羅し、後半では犯罪の実例を取り上げながら、注意すべき凶悪犯の心理と行動を罪種別にわかりやすく解説しました。彼らの心理を知るのみならず、危ない状況を察知し、犯罪から自分の身を守るうえでも必須の知識が満載です。【目次】