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黒石の明暗
文学昭和時代太平洋戦争前後炭鉱で働く人達が戦争や産業発展の名もとに石炭の増産を強いられ、未整備な環境で過酷な労働を強いられ怪我やじん肺で苦しむ。昭和後半になると元従業員が立ち上がり会社側と争議になり裁判で補償をかちとる。【目次】はじめに朝の出勤他人事石炭関連施設跡闘う初期の石炭産業地下からの脱出初仕事昼食が楽しみ
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「当たり前」をひっくり返す バザーリア・ニィリエ・フレイレが奏でた「革命」
精神医学精神病院をなくしたバザーリア(1924-1980:イタリア)、入所施設の論理を破壊しノーマライゼーション原理を唱えたニィリエ(1924-2006:スウェーデン)、教育の抑圧性を告発したフレイレ(1921-1997:ブラジル)。動乱の時代に社会に大きな影響を与えた3人を貫く「実践の楽観主義」の今日的意義。【目次】序章 三人の主人公 本書の構成 第一章 アッセンブレアと対話第二章 施設の論理を「括弧に入れる」第三章 四十年後のトリエステ第四章 ニィリエの「二つの人生」第五章 一九六九年のニィリエ第
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あなたは、わが子の死を願ったことがありますか? 2年3カ月を駆け抜けた重い障害をもつ子との日々
社会問題予期せず脳性マヒとてんかんの障害をもって生まれ、経管栄養となった子の障害を受け容れ、共に生きる覚悟ができたと思った矢先、気管支肺炎で急逝するまでの2年3カ月。障害者家族になって初めて実感する社会との深刻な断絶を赤裸々に綴る。【目次】まえがき第一章 運命を変えた出産第二章 引っ越し第三章 入 院第四章 運命を変える決意をした出産第五章 再び秋田での生活……今度は家族五人で第六章 日々思ってきたこと、未来に向かって第七章 尚くんとの別れ第八章 力なき者の力尚くん年表
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アーネスト・サトウと倒幕の時代
日本史一般幕末から明治にかけて日本に滞在した英国の外交官、アーネスト・サトウ。世界史上、相手国に喰い込んだ外交官は数多くいれど、対立する両者と密な関係を築き、相手国の歴史に深刻な影響を与えた外交官はアーネスト・サトウを措いて他にいたであろうか。なにしろ幕府を支援していた英国を薩長の側に付かせ、日本の政治体制を大きく変えてしまったのだから。これまで日の当たらなかった一次史料を駆使し、アーネスト・サトウを論じた書であるが、江戸城無血開城へのイギリスの影響など、英国策からみた維新史は瞠目に値するものがある。【目
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A4または麻原・オウムへの新たな視点
宗教『A3』から約5年。森達也氏が、元オウム真理教の信者で麻原彰晃に帰依していた夫婦との対話を通して新角度からオウムを照射! 巻末にマンチェスター大学日本学シニア教授で、「メディアと新宗教の相互作用の研究」をしているエリカ・バッフェリ教授の解説付。麻原彰晃の死刑執行が囁かれている今、見過ごされてきた真実が次々と明らかに。【目次】1 オウム真理教との出会い2 出家者の生活 3 麻原彰晃の実像とは4 オウム真理教事件5 いま、振り返るオウム真理教結びとして 宗教リテラシーからオウムを考える
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大相撲の道具ばなし
雑学/知識大相撲興行に欠かせない“道具”に注目! 「廻し」「軍配」はもとより「明け荷」「相撲膏」など知られざるものにも焦点をあて、歴史的ないわれから現在の使われ方まで縦横無尽に語る。道具にまつわるエピソードを知れば“相撲愛”が増す。【目次】はじめに第一章 力士の身のまわり第二章 行司・呼出・床山の身のまわり第三章 土俵とそのまわりおわりに
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おてんとうさんに申し訳ない 菅原文太伝
人物評伝映画俳優として確固たる地位を築き、多くの人から愛された菅原文太氏。ただ、「映画俳優」が彼のすべてではない。彼は2014年11月に他界する少し前に「日本を再び戦争をする国にしてはならない」という思いから命を削って沖縄県知事選の応援に臨んだ。また、「政治の最大の責任は国民を飢えさせないこと、戦争をしないこと」という信念から無農薬有機農業を始め、さらにはラジオや雑誌の対談に同様の問題意識を持つ専門家を呼び、積極的に発言してきた。今改めて、我々は菅原文太氏の最後のメッセージを考えていく必要がある。【目次
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介護漂流 認知症事故と支えきれない家族
介護2007年に愛知県で起きた認知症鉄道事故の裁判の経過を基に、老老介護、介護離職など在宅介護における厳しい現実と、「施設・病院から在宅へ」と掲げる政策、介護保険制度の限界により負担が強いられる実態を詳らかにする。【目次】序 「在宅介護」が哭いている1 名古屋認知症鉄道事故裁判2 綱渡りな「在宅」3 「介護離職」は年間十万人4 生活圏イコール生活権5 漂流する介護6 ヘルパー日誌 単身化と「在宅介護」の現場から7 鼎談「無縁社会と介護」――石川由紀 藤原るか 山口道宏8 検証「介護の社会化」と「在宅
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介護を仕事にした100人の理由 100歳時代の新しい介護哲学
介護元芸人、元銀行マン、元ダンサー、元主婦……、様々な人生が様々な理由で「介護の仕事」へたどり着く。起業チャンスに賭けて、生活のために、たまたま知人の紹介で、母親の背中を追ってなど、はじめたワケはそれぞれだけど、いつの間にかのめり込み、介護職という人生にはまり込んだ100人100様のリアルな声を集めた稀有な一冊。これから介護される人も、これから介護する人も必読!【目次】第1章 転職経験も人生体験も 活かされる場所です第2章 多様な人が出会える 奇跡の場です第3章 働く人も癒されます第4章 起業チャン
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加害者家族バッシング 世間学から考える
社会問題欧米(特にキリスト教国)では、加害者家族がバッシングされることはあり得ない。何故、日本では加害者の家族が世間からバッシングを受け、時には自死に至るまで責められるのか。本書では世間学の観点に立ち、加害者家族へのバッシングの構造を、①「世間」の構造、②なぜ、〈近代家族〉が定着しなかったか、③なぜ、犯罪率が低いのか、④なぜ、自殺率が高いのか、という角度から解き明かし、その背後にある、ニッポンの「世間」の閉塞感・息苦しさ・生きづらさを解除するための手がかりを探る。【目次】はじめに――なぜ、加害者家族問題