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月刊 ココア共和国 2020年9月号
詩/短歌/俳句毎月、読者から詩作品を募り、新鮮な抒情や、理論と方法論の実験に満ちた、素敵な作品たちをていねいに編んでいきます。その投稿詩は、秋吉久美子賞、いがらしみきお賞、YS賞への応募作とみなされます。受賞者は来年3月に発表されます。今月のゲストは、秋吉久美子、いがらしみきお、クマガイコウキ、鈴木そよか、林やは、平川綾真智、四方田犬彦の7名。投稿詩傑作集として31名、投稿詩佳作集として126名の詩人が登場。毎号、投稿詩を中心に編集していく予定です。詩は楽しくて、深いものだと感じてもらえる編集に努めます。【目
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この世の景色
エッセイ「私は昭和の子で もっぱら昭和の涙、昭和の笑い、そしてそして、昭和の無念ばかりを歌ってきたような気がする」超虚弱児で生まれた。戦争で死ぬと覚悟した。被爆直後の広島に入った。何度も何度も大病を患った。それでも、平気で生きてきた。反骨をユーモアで包み、あたたかい眼差しと飄々とした足どりで歩き続けた早坂暁。原爆で死んだ妹のこと、親友・渥美清のこと、遍路道と母親のこと。破天荒で、自由で、優しかった男の、あたたかな想像力。初単行本化の9編も加え、遺されたエッセイから名品を精選する。【目次】はじめに―桃井か
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秘蔵写真200枚でたどるアジア・太平洋戦争 東方社が写した日本と大東亜共栄圏
日本近代史東方社は陸軍参謀本部の傘下で、対外向けグラフ雑誌『FRONT』など写真宣伝物を制作していた団体である。東方社のカメラマンが、戦時期に国内および海外で撮影した写真を中心に、アジア・太平洋戦争と戦時期の内外の社会を振り返る。陽の目を見ることなく眠っていた写真2万点のなかから200点を精選し、詳細な解説とともに紹介。陸軍参謀本部傘下の写真工房〈東方社〉の実像に迫るとともに、当時の日本・中国・東南アジア各国の変動していく社会をとらえる。カメラマンたちの視線をとおして見つめる戦争と社会。【目次】第1部 国
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マハーバーラタ、聖性と戦闘と豊穣
エッセイアルジュナ、ドゥルヨーダナ、クリシュナ……人間的な魅力を放つ英雄たち。ウシャナスの不死の術、聖なる飲料ソーマ、最強の武器ブラフマシラスなど、不可思議な秘術・宝物。そしてヨーロッパ、北欧、日本の神話との謎めいた符合。・わかりやすいあらすじと一八〇項目の小事典を収録、入門篇としても最適!・『世界の神話』が1万部を突破、いま最も売れている神話学者、沖田瑞穂さんの研究成果13篇を凝縮!・FGO、パズドラ、バーフバリ……。ゲーム、映画のファンも必携!【目次】はじめに第Ⅰ部 あらすじ第Ⅱ部 論考『マハーバー
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マーシャル、父の戦場 ある日本兵の日記をめぐる歴史実践
日本近代史戦時中、南洋のマーシャル諸島では多くの日本兵が餓死した。そのひとり、佐藤冨五郎が死ぬ直前まで綴った日記と遺書は、戦友の手を経て息子のもとへ渡り、73年の時を超えて解読されることになる。そこには、住み慣れない島での生活、補給路が絶たれるなかでの懸命の自給自足、そして祖国で待つ家族への思いが描かれ、混乱と葛藤のなか、死へと向かう約2年間が精緻に記されていた。〈70年以上前に・南洋で・餓死した〉日本人といまをつなぐ、〈想像力〉の歴史社会学。【目次】名もなき人びとへの想像力/大林宣彦第1章 冨五郎をめぐ
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戦争社会学研究 第1巻 ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開
エッセイ戦争や軍事は、人文社会科学にとって、私たち「人間」が群れを作り、他者と関わりながら自由と平等、秩序や安全を折りあわせる場である「社会」の存立そのものに関わる根本的な領域である。あまりに重要すぎて、すべてに透徹する真理、すべての人を納得させる原理・原則はないと考えた方がよい。それゆえ、ここで求められているのは、巨大な社会問題としての戦争と軍事を、市民が討議するための題材の提供や論点の整理であり、討議をより活発にし有意義にするための創発となることである。【目次】創刊の言葉〈特集1 ポスト「戦後70年
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戦争社会学研究 第2巻 戦争映画の社会学
エッセイ娯楽映画の抵抗と迎合―大岡昇平による原作『野火』(一九五二年)。市川崑による映画『野火』(一九五九年)、そして塚本晋也版『野火』(二〇一五年)。同一作品は、表現形式によって、時代によっていかに変奏され、受容されるのか。また、山本五十六の表現から『戦艦ヤマト』『この世界の片隅に』まで、娯楽作品において戦争はどのように表現され、消費されてきたのか。社会学・歴史学・人類学のアプローチから、文学と映画に描かれた戦争を読み解く。【目次】特集1 「戦争映画の社会学」①『野火』の戦争社会学『野火』の戦争社会学
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戦争社会学研究 第3巻 宗教からみる戦争
エッセイ宗教と戦争は、人の生死に関わる。戦争は人間にとって限界状況として立ち現れる事態である。多くの宗教では殺生に対する戒律を有し、相互に殺害し合う事態をもたらす戦争を「悪」と捉えて、平和を好むと考えられてきた。しかし他方で、宗教や信仰者は戦う主体でもあった。宗教が戦争の道義性を担保して「正戦」として後押ししたり、さらには宗教的世界観、教義から戦いそのものを「聖戦」として積極的に推進することもある。近代戦で宗教が担ってきた役割とは。信仰と暴力の関係に迫る。【目次】【第1部 宗教からみる日本の近代戦】「宗
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戦争社会学研究 第4巻 軍事研究と大学とわたしたち
エッセイ「軍事研究の抑止力であったはずの「学問の自由」「大学の自律性・自立性」は、二一世紀に入って、じわじわと浸蝕されてきた」(井野瀬久美惠)「「戦時」と「平時」が溶け合うような状況で、軍事と民事を分けられるのか。何らかの歯止めとなるような理念や土台の共有が求められている」(山本昭宏)多様化・複雑化する学術と軍事の結びつきに対して、大学・研究者はいかに学問の自由を守り、自立・自律するか。「学術の軍事化」への警鐘を鳴らす。
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ふしぎ駄菓子屋銭天堂14
文学六条研究所の計画は、着々と進み、ついに最終段階に入った。全国の神社仏閣の近くで小銭入りのお守りをくばり、銭天堂に行きついて駄菓子を買った人間の満足度をはかろうというのだ。そんななか、研究員の一人である関ノ瀬は、この計画に疑問を持ち、その中身を紅子に知らせ、阻止しようとする。【目次】・もてもてもち・チリチリチェリー・プレゼント扇子・ある研究員の決意・タイムライム・レアレアチーズケーキ・みせびら菓子と……