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十字路と北極星
エッセイ朽ち落ちた始発駅、奴隷市場、ジャック・オー・ランタンの光、奇妙な果実が揺れる南部の森、呪われた柱、地下鉄道、ブルースの彼方への時空の旅。1970年代シュールレアリズム、ブラック・スタディー、アフリカの宇宙観、女性たちの抵抗の歴史を伝えるノンフィクション・エッセイ。 【目次】 1.ブルースの生まれ出る風景 2.伝説の悪魔 3.やさしさのシュールレアリズム 4.告発への意志 5.約束の地の悲劇 6.霊光 7.霊歌に託して 8.犠牲者たちの挽歌 9.魂の糧 あとがき 脚注
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「集団主義」という錯覚 日本人論の思い違いとその由来
心理一般日本人は集団主義的で、アメリカ人は個人主義的。多くの人が無条件にこう信じています。日本人ばかりでなく欧米人も日本人は集団主義的だとして、貿易摩擦のとき非難の口実にしました。しかし、本当でしょうか? 近年、集団主義・個人主義についての実証的な国際比較研究がさかんにおこなわれるようになり、そういう研究の結果をしらべてみると、「日本人は集団主義的、アメリカ人は個人主義的」という通説はまったく支持されないのです。ではなぜ、事実に反する説が「通説」として流布するようになったのでしょうか。学問的研究ばかりで
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十二ヶ月 栗本薫バラエティ劇場
文学未曾有の超大作グイン・サーガで知られる栗本薫が、12ヶ月にわたって小説新潮誌に連載した、12のジャンルを書き分けた作品集。 疑惑が疑惑を呼び狂気へとひとりの男を駆り立てる心理ミステリー「犬の眼」。手練れの時代小説作家もかくやと思わせる佳品「おせん」。軽妙な文体をあやつりつつ、圧倒的な筆力でラストの哀切へと雪崩れこむ青春小説「公園通り探偵団」。そして巻末を飾るグイン・サーガ外伝など、若き栗本薫の才気が爆発する。 【目次】 まえがき 一月/犬の眼〈心理ミステリー〉 二月/おせん〈時代小
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10年後に生き残るための 建設DXの現在地
経済中小建設業では、業務管理がいまだに紙ベースであったり、複数のExcelシートによるものであったりと、業務のデジタル化という側面では大きく出遅れ、DXが最も遅れている業種とも言われています。本書では工程管理や労務管理、入出金管理、顧客管理などを一元的に統合管理できる「業務統合システム」を中小建設業が導入することで、画期的な業務効率化や売上利益率の増大が期待できるDX戦略の方策を、デジタル初心者にもわかりやすく詳述しています。【目次】1章 建設業のコア業務をデジタル化すると自社の未来が見えてくる・デ
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10年後の福島からあなたへ
社会問題「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」――自然とともに生きる生活の豊かさと、それを奪われた悲しみ、分断されていく故郷への思い。事故責任を問う運動の先頭に立ってきた著者が10年にわたり綴った福島の実像。【目次】はじめに何が豊かな暮らしなのか、 どれが一人ひとりが幸せになれる価値観なのか東北の鬼どんぐりの森から新しい道生きる尊厳を奪われないいま、福島から訴えたいこと福島原発事故は終わらない置き去りにされた都市問題と福島のいま福島で生きる若いあなたへ女たち命の大行進in京都スタートライン原発
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10年前に諦めた初恋の人と政略結婚することになりました ルーニカノベルス
ライトノベル正統な王女であるのに異母兄に王位を奪われ、悪名高い老公爵に嫁がされたティファニー。それでも領地を立て直すべく奮闘した結果、公爵が病死した後も領民はティファニーを慕い続け、彼女も彼らを家族のように大事に思っていた。だが結婚から10年経ったある日、公爵家の嫡男アロイスがやってくる。親戚である彼はティファニーにとって兄のような人。そして、10年前に諦めた初恋の人。動揺を隠しつつ、再会を喜び歓迎するティファニーだったが……。苦悩を滲ませるアロイスから、領地を離れて自分と結婚するよう伝えられ……!?【目次
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10年目の手記
エッセイ東日本大震災から10年。これまで言葉にしてこなかった「震災」にまつわるエピソードを教えてください――。そんな問いかけから「10年目の手記」プロジェクトは始まった。本書は、暮らす土地も被災体験も様々な人々の手記をもとに、東北と縁を結んだアーティストと演出家、阪神大震災の手記を研究する社会心理学者、文化支援事業のプログラムオフィサーが語り合い、自身を重ね、手記の背景に思いを巡らせた記録である。他者の声に耳をすます実践がここにある。【目次】 はじめに【第一部 よむ 10年目の手記と往復エッセイ】あなた
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授業力を高める「受けの技術」
教育一般教師が子どもたちに対して行う発問や指示といった技術は「攻め」。子どもたちの発言に反応してその発言を生かし、それによって授業をさらに充実させるための技術が「受け」。これまであまり注目されてこなかった「受け」に焦点をあて、どのような子にも対応した授業を行うための新しい授業技術の解説書です。授業名人・野口芳宏先生の子どもとのやりとりを材に取りながら24種類の「受け」の技術を例示、真似するだけでは上手くいかなかった授業成功の秘訣を、平易な語り口で紐解きます。【目次】はじめに序 そもそも授業をなぜ「攻め」
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珠玉天王寺屋——五世中村富十郎
その他文芸伝説的歌舞伎役者、十五代目羽左衛門の舞台を13歳で見てより歌舞伎の魅力に取り憑かれた山田凉子は、六代目菊五郎、初代吉右衛門、七代目幸四郎などの名優の舞台に接して歌舞伎への鑑賞眼を磨いてきた。そして1961年に当時鶴之助を名乗っていた中村富十郎に魅せられた彼女が、半世紀に渡る観劇記、交流をまとめたものが本書である。あくまでもファンの視点から書かれてはいるが、自身も長唄の名取りであり幾度か富十郎の踊りと共演も果たしている著者の富十郎評は的確。本格的な評伝のない現在、歌舞伎研究書としても貴重である。