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カフカがサラリーマンだったって知ってましたか?
外国文学フランツ・カフカは20世紀初頭のサラリーマンだった。しかし、そのことを研究した人はいない。ここには大きな問題が隠されており、その文学とともにサラリーマンを生きぬいた人でもあった。このことは強調してもしすぎることはない。だって、だれもサラリーマンの本質を知らないのだから。それを知るといかに束縛されたい生き方であるかがわかる。それをカフカは芸術へと切り開いた。彼を見習って、自立しよう。 【目次】 はしがき 第一章 サラリーマンだったカフカ 第二章 引きこもってはいけない 第三章 他者の
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ガブリエル・タルド 贈与とアソシアシオンの体制へ
哲学/思想労働の喜びとは何か? それは、共にあり、共に作業すること、社交性が花を咲かせることである。そのためには、余暇の増大と、無数のアソシアシオンの群生が不可欠なのである。ガブリエル・タルドの主著『経済心理学』を、「欲望と信念にもとづく富の理論=統治術」というタルドのテーマにそって、丁寧に読み解いていく。「社交性の花を咲かせよ!」――その現代的な意味が、本書を読むことで明らかになるであろう。【目次】序 章 本書の目的第1章 夢見る個人と社会の法則第2章 政治経済学を裏返す第3章 信念と欲望の経済的役割第
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鎌倉幽世八景
文学谷戸、切通し、やぐら、古刹と地蔵。喧噪の都市の奥深く透視される悠久の中世の時間。魔術たる作家の筆が、もののふの声を呼びおこす。観光地カマクラの白日の下に、屍の蔵たる鎌倉の、幽玄なる景色がここに現われる。(富岡幸一郎)扇ガ谷、十王岩、袖塚、唐糸、飢渇畠、太刀洗、腹切やぐら、化粧坂……鎌倉の地に現存する「八景」は古の戦いと悲哀の歴史を今日まで伝えている。付録 文学における土地の力 対談 藤沢 周×佐藤洋二郎「季刊文科」連載作が待望の単行本化!【目次】扇ガ谷十王岩袖 塚唐 糸飢渇畠太刀洗腹切やぐら化粧
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鎌倉 北条と京都 定家【春の夜の夢】
歴史/時代小説「吾妻鏡」と「明月記」を紐解き四十年に渡る日本歴史の一大転換期を克明に描く歴史小説源頼朝と政子の運命的な出会いから鎌倉に武士の都を築くために頼朝を支え続けた北条義時の奮戦記一方、同時代の京都を舞台に、百人一首を撰集した歌人藤原定家を通して宮廷の雅な世界に触れ、詠み人たちの人物像を照らす話題作【目次】ミスト 藤原定家佐殿と政子頼朝旗揚げ藤原兼実後白河法皇亀の前源義仲豊明節会静御前頼朝上洛大姫上洛後鳥羽上皇源頼家畠山騒動和田合戦実朝暗殺承久の乱あとがき
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神風特攻隊のサイエンス データが語る過小評価と続「空気の研究」の研究
日本史一般笑顔で飛び立っていった日本の若者たちに捧ぐ! 特攻の実効性を、米軍資料と戦果データから再検証!帝国陸海軍とドイツ国防軍の比較を浮き彫りにする!仮想戦記「本土決戦」日本勝利のシナリオを収録!特攻資料から再構成する“もう一つの昭和20年”終戦時に焼却や廃棄されたとされる日本軍の機密文書。その多くは、アメリカの暗号解読記録として残されていた──。仮想戦記としての、日本勝利の“可能性”と“限界”を問う試論。昭和20年「本土決戦」は、単なる空想では終わらない。「空気」と「象徴天皇」の機序を読み解く知的考察
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神さまの通り道 スサノオさんキレてるんですけど
児童書小学生のガンちゃんは、家の建て増しで自分の部屋をもらえることになる。そこは、代々「神さまの通り道」だから空けておくように、と言われてきた敷地だった。かくして、ガンちゃんのもとには、雲に乗った自称神さまスーさんが出没することになる。一方、ガンちゃんは学校でおねがい係になって、クラスメイトの清水さんのおねがいを聞くことになる。クラスになじめない清水さんとのやりとりをなげだしそうになるガンちゃんだったが、スーさんは型破りなアドバイスをするのであった。勝手気ままで、人の道に反したことをいうと歯を痛くする
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神さまの通り道 よみがえらせてはいけません
児童書小学生のガンちゃんのへやにはなぞの神さま、スーさんもすんでいる。ガンちゃんは、クラスメイトから死んでしまったペットのウサギにあいたいというねがいをきいて、スーさんに相談したけれど、スーさんはだめ、というばかり。そうこうするうち、スーさんのともだちの神さま、クニさんもやってきた。ガンちゃんは、クラスメイトのおねがいをかなえることができるのか?ギョウザが大好きで、人の道に反したことをすると歯を痛くするヘンテコな神さまと、心優しいおきらく小学生のちょっといいはなし、シリーズ第2作。
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神さまはぼくに自閉症っていうへんてこな名前の障がいをくれた。
絵画/作品集5歳の時に自閉症と診断された一人の少年。言葉を操ることが出来なかった少年が言葉の代わりに手にしたのは、絵を紡ぎ、世界中の幸せを祈る力だった。純粋な少年から紡ぎ出される愛には、不思議な力がある。・大切なものに気付きました。・勇気をもらいました。・元気が湧いてきます♡・豊かな気持ちになれました。・とっても楽しくなりました。(作品に寄せられた感想)少年の紡いだ、あたたかくって少し不思議な世界を、一緒に冒険してみませんか?【目次】・愛と平和・まあるいしあわせ2「和」・遊園地・れいんぼうぱらだいす・Aga
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神とともにみる夢
宗教/キリスト教教会だけではなく、都市全体に驚くべき変革をもたらしているベテル教会。その働きは神とともに見る夢から始まりました。前作「奇跡への入り口」から一歩進んで、神のアイデアを実現するために、具体的で実践的な方法を教えています。神は夢を見るお方であり、神の夢をともに見る人々を探しておられます。わくわくするような実例と証を豊富に含めながら、御言葉を深く解き明かし、読者をより偉大な願いとその実現へといざないます。【目次】序文はじめに第一章 神と協力して働く第二章 創造的であること第三章 奥義の価値第四章 御霊の
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紙一重
文学平野をつっぱしる中仙道のほとりに、私立K脳病院は玄関口を街道にひろげて建っている。明るい近代的な建物ともみえるが、一足裏に回れば風雪にさらされた幾棟かの病舎がいかにも世ばなれた形でかくれている。ひろびろとした田圃の中に黒い瓦ぶきのその病舎はいかにも時代めいた姿だ。明治時代の小学校かとも見えるその変てつもない建物の中には、二百人の変てつ者がひっそりと世をはなれ、時に猛獣となる危険を内にひそめたしずかな喧噪さで暮している。みんな、いわば破れた風船を心の中に抱いているような人々だった。