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二十四の瞳
文学農山漁村の名がぜんぶあてはまるような瀬戸内海べりの一寒村へ赴任してきたわかい女の先生に、分教場で出会った十二人の一年生のひとみは、それぞれ個性にかがやいてことさら印象ぶかくうつったのである。岬に響く歌声、笑い声、ときにはなき声の大合唱。一冊の文集が反戦思想の証拠品となり、一朝にして国賊に転落させられるような時代。戦争の渦に巻き込まれながら成長していく教え子たちを複雑な気持ちで見守り、笑顔とときに涙を見せながら教え子に寄り添うのだった。
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注目作品
20年住んでみたアメリカ
エッセイアメリカに行ってみたい! あるいはアメリカ生活に興味を持っているなら、ぜひこの本を手に取ってほしい。この本は、筆者のアメリカ生活20年間の、実生活を語ったエピソードを書き綴ったもの。アメリカ生活をスタートさせた時に、日本人として感じることや疑問点など、いろいろな視点から語られているので、日々気分よく暮らしてゆくために役立つ一冊となるだろう。異文化に困惑しながらも、筆者が心を入れ替え、体当たりでポジティブに進んでゆく経過を、イラスト入りで、楽しく語ったエッセイとなっている。【目次】アメリカ人とは誰
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2030年の世界
社会学生成AI時代にわたしたちはどう生きればいいのか?大河に似た世界史の流れが、想定外の新たな方向に転じた。新型コロナウイルス・パンデミックを引き金に、数年にわたり世界に大変異が続いた、との歴史認識は、内外の大方の人々に共有されるだろう。この2020~23年のほぼ4年間に、世界の旧来の歴史は激しく軋みながら軌道を変え、別の世界に変貌していったのである。この類例のない世界的変異は、「疫病の大流行」、「核大国による武力行使」、「急進化したAI技術」が中心となって引き起こした。衝撃的だったのは、これらがそれ
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2000日の海外放浪の果てにたどり着いたのは山奥の集落の一番上だった
ノンフィクション生きづらくなったら旅に出よう!元自衛官×世界一周×田舎移住たどり着いたのは山奥の茶畑に囲まれた古民家……。ゲストハウス開業に踏み出し、新しい生活をスタート。1005日の世界一周/オーロラの見える町で犬ぞり操縦ガイドとして働いた話/大きな家を無料でもらった話/世界一尊敬する人、ウルグアイのムヒカ大統領に謁見できた話/オンラインで知り合ったフィリピン人に出会って二日でプロポーズし半年で結婚した話/新婚早々コロナによって妻と一年間も引き裂かれた話 etc.【目次】プロローグドロップアウトするまで世界一
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新着作品
日英詩集 独りぽっちの人生(せいかつ)Poetry Collection In Japanese & English The Struggling Children of the Tokyo Air Raids ―東京大空襲により心をこわされた子たち
詩/短歌/俳句東京大空襲訴訟は、平成十九年三月九日に東京地裁に提訴され、第二次訴訟は平成二十年三月十日に原告二十名で提訴した。(略)求める内容は国が救済しなかったことの慰謝料請求と空襲被害の調査・謝罪、そして国立追悼施設の建立である。/原告団は、空襲当時十歳前後で父母を失った疎開児童などが多数を占める。/日本の司法史上初めて孤児らは証言台に立ち、東京大空襲がもたらした自身の人生被害をわずか三十分ほどに凝縮して明らかにした。(略)/米軍による東京への空襲は昭和二十年三月十日をはじめに、四月五月と大規模に三回くり
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「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし
政治K-POPなどをきっかけに韓国に興味をもち日韓関係の歴史を学び始めた学生たち。しかし、ネットや家族・友人の言葉になんだかモヤモヤ。それはなぜか、自問し、語りあい、モヤモヤの根源を探りつつまとめた日韓関係「超」入門書。【推薦】北原みのり、吉田裕【目次】第1章 わたしをとりまくモヤモヤ第2章 どうして日韓はもめているの?第3章 日韓関係から問い直すわたしたちの社会第4章 「事実はわかったけれど……」,その先のモヤモヤ
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日台万華鏡 台湾と日本のあいだで考えた
エッセイ台湾在住で日本人の著者が、2016~2023年 の間“日台のあわい”で書き続けたエッセー。台湾社会や日台の文化比較、歴史的交錯から、映画やアート、ジェンダー、LGBTQにまつわる話題まで広く言及し、リアルな台湾をあわいの視点からあぶりだす。【出版社:書肆侃侃房】【目次】はじめに どうしてわたしは台湾について考えるのか社会ジェンダー日台文化比較歴史交錯映画・アート・本あとがき 台湾と日本、「おもろい」の万華鏡初出一覧/主な参考文献
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にっぽん虫の眼紀行 中国人青年の見た日本
紀行日本と中国は隣国である。人種的にも、地理的にも、交流の歴史のどれをとっても日本人と中国人は非常にちかしい。しかし両者はときには非常に遠くもある。1962年生まれの著者は文化大革命の後半期を『毛沢東語録』を暗誦してすごしてきた。のちに留学生として来日し、肉眼をとおし、また肌で感じる日本の現実を「虫の眼」として体験する。小さな視点からとらえるものは一つの民族の喜怒哀楽をうつしだし、二つの国を結びつける文章を導きだした。好奇心溢れる中国青年が、繊細な視線とゆたかな感性で、忘れられた日本の自然と文化の奥
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二年前に私を捨てた男娼が、国王になって求婚してきたのですが!? ルーニカノベルス
ライトノベルかつて自分を捨てた父から、ある貴族と婚約するよう命じられたメイヴは、その婚約者から「結婚までに身体を慣らせ」と、娼館に連れて行かれてしまう。最低かつ理不尽な扱いに溜息が止まらないメイヴだが、そこで新入りの男娼ヴィンスと出会う。自分の担当となった彼と日々を過ごすうち、素朴で優しい彼を愛おしく思うようになったメイヴ。やがて心を通わせた二人は駆け落ちを決意するのだが……。約束の日、ヴィンスは現れなかった。それから二年、メイヴの前には、なぜか隣国の王となったヴィンスが幸せそうに跪く姿があって――!?【目