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結晶質
詩/短歌/俳句雪山を裂いて列車がゆくようにわたしがわたしの王であること第4回笹井宏之賞神野紗希賞受賞の著者による第一歌集。安田さんの歌には、「それでも」言葉を信じて光のほうを向き直す、高潔な魂が震えている。──────神野紗希【目次】Ⅰ遠くのことや白さについてⅡ円になるひるなかの耳席を立つ舟を出すweathertwigdefaultnew moonagnesapologize水煙草がほしいだけさくらⅢ花のつるぎを手放しなさい叫声きみの土地から立ちつくしたい蛍石箱瞼些事つばさ火の話鉱石
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月面文字翻刻一例
文学誰もが探していたのに見つからなかったお話たちが、こうして本に育っていたのをみつけたのは、あなた。──円城塔第65回現代歌人協会賞を受賞した歌集『Lilith』など、そのみずみずしい才能でいま最も注目される歌人・作家、川野芽生。『無垢なる花たちのためのユートピア』以前の初期作品を中心に、「ねむらない樹」川野芽生特集で話題となった「蟲科病院」、書き下ろしの「天屍節」など全51編を収録した待望の初掌編集。【目次】Ⅰ 月面文字翻刻一例 月面文字翻刻一例 月の鱗粉 水死 月の夜に 闇の夜に 廃
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健康へんろ
紀行「健康へんろ」って何?著者の眞下清は真向法実践者の立場から、心・体・頭のみっつをスッキリした状態にもっていくことが健康への道だと語流。結論は心スッキリ、体スッキリ、頭スッキリ、このみっつがスッキリすることが幸せな健康状態といえると言う。方や黒澤淳一は四国88寺1400km完歩。その88寺をイラストを交えて「歩き遍路」の醍醐味を語る。1月1日の能登半島地震で被災した能登12寺を加えて合計100寺を紹介しながら、早期の復旧復興を願う内容となっている。【目次】背・前肩一発解消「鴨居ストレッチ」心身蘇っ
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検証:ドイツはなぜ、脱原発できたのか?
社会問題ドイツでは、2023年4月をもってすべての原発が停止し、脱原発が達成されました。でもどうして、ドイツは脱原発を実現できたのでしょうか。その背景と要因を歴史的に追ってみました。政治的、法的、経済的、社会的にさまざまな要因があったことがわかります。さて、日本はどうしますか?【目次】政治的プロセス1. ドイツはフクシマ原発事故で、脱原発を決めたわけではない2. ドイツの脱原発の芽はどこにあったのか3. チェルノブイリ原発事故の影響4. ドイツは原子力産業を救済しようとした5. ドイツ政府が電力業界と脱
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現代科学を背景として哲人たちに学ぶ——知の総合と生命——
哲学/思想カントの『純粋理性批判』は「ア・プリオリな総合的判断」なるものが存在することを前提としている。しかしそれは、20世紀初頭の物理学革命において、カントが考えたようには成立していないことが示された。それでは、『純粋理性批判』は現代のわれわれにとっていかなる意味をもっているのか。また、20世紀半ばのDNA構造決定を端緒とする生物学革命が実際ますます明らかにしつつあるのは、生命は物理学や化学に還元できないということである。本書では、哲人たちの古典的諸著作の現代的意義、およびその行き着く先を考察する。【目
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「現代の国語」はなぜ嫌われるのか 高校国語の歴史研究と実態調査が示す新たな可能性
学校教育戦後以来の課題、「話すこと・聞くこと」「書くこと」指導は、なぜ高等学校国語科で充実せず、その克服のためには何が必要なのか。本書は、過去の国語科目の歴史研究と実態調査を通して、戦後の「新教育」以来、高等学校の国語教育が抱える課題を分析し、授業実施案を含めた解決策を提示する。高校新科目「現代の国語」の意義を明らかにし、実践の形を探る一冊。【目次】はじめに第1章 「現代の国語」教科書に小説を載せてはいけないのか 第1節 小説を収録した教科書が検定に合格 第2節 「現代の国語」ができるまで第2章 「現代
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現場から変える!教師の働き方 できることから始めるローカルな学校改革
学校教育政策の旗は振られても、なかなか改善しない教育現場の多忙。解決の道は、現場からのボトムアップの改革にある。大阪府枚方市の小中学校での改革の取り組みを調査した教育社会学者らによる知見と解決策の提言をまとめる。※本書は、大月書店刊『現場から変える!教師の働き方ーーできることから始めるローカルな学校改革』の電子書籍版です。【目次】はじめに序章 働き方改善を実践する第Ⅰ部 働き方を変えるための視点第1章 時間と「ゆとり」をめぐる「多忙」のレトリック第2章 管理職によって変わる多忙感第3章 「責任者は学級担
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新着作品
原爆と俳句
日本史一般原爆という人類の課題に対して、俳句がどのように向き合ってきたのか。原爆投下直後のヒロシマやナガサキで詠まれた俳句があった。俳句で原爆を記録したひとたち、今も火種を絶やさずつなぐひとたちを長年の取材を通して綴る。※本書は、大月書店刊『原爆と俳句』の電子書籍版です。【目次】はじめに 生と死を詠う世界第1章 原爆俳句までの軌跡第2章 第二芸術論の衝撃第3章 ヒロシマを詠む第4章 ナガサキを詠む第5章 東京から原水爆を詠む第6章 表現者たちの格闘第7章 沖縄と福島第8章 原爆と川柳おわりに
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犬房女子 犬猫殺処分施設で働くということ
ノンフィクション2013年春、動物愛護法改正に伴い、熊本県動物管理センターで働き始めた玲と和美。ガス室での殺処分が漫然と続く職場で、犬猫たちを救おう、せめて環境を改善しようと奮闘するも――。現場のリアルに迫るノンフィクション。杉本彩さん推薦!【目次】プロローグ第一章 二つの施設第二章 厳しい現実第三章 敗れざる者第四章 蘇生エピローグ――熊本地震の裏でなにが起きていたか?
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言論抑圧 矢内原事件の構図
歴史一般1937年、東京帝国大学教授の矢内原忠雄は、論文「国家の理想」が引き金となり、職を辞した。日中戦争勃発直後に起きたこの矢内原事件は、言論や思想が弾圧された時代の一コマとして名高い。本書は、出版界の状況や大学の内部抗争、政治の圧力といった複雑な構図をマイクロヒストリーの手法で読み解き、その実態を抉り出す。そこからは愛国心や学問の自由など、現代に通じる思想的な課題が浮かび上がる。 【目次】 序章 矢内原事件とマイクロヒストリー 第一章 言論人としての矢内原忠雄 1 戦前・戦中の活動と生活