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作品説明
『告白』は失敗しています。
少なくとも文芸的には失敗作ですが、だとしても、大切な観点と内容を持っています。「事件につぐ事件、暴力につぐ暴力」より「イヤミス」より、大事なものがこの作品にはあります。
きっと湊はそれを書きたかったはずだし、読み手もそこに引っかかったはず、というのがカズノの立場ですが、そんな話をこの部から始めました。始めたらどんどん長くなりました。嗚呼。
けどまあ入魂うんぬんはともかく、一冊の読書に感じたり思ったり考えたりすることって、原稿用紙1000枚くらい軽く超えません?
【目次】
四章 イヤミな森口
1 「聖職者」の印象と『告白』への二つ目の注文
2 森口のイヤミの謎
3 てことで実際、森口はいつからイヤミになったのか?
4 そんな森口について考えたいこと
5 湊に書いてほしいもの
五章 森口の熱血嫌悪
1 熱血への矛盾──それは愛?
2 愛ははかない
3 そこまで言います?
六章 森口と被害者
1 森口は被害者
2 被害のインフレの残念
3 森口は何を問題にしたがっているのか?
4 被害者の加害欲求
七章 森口の受け身
1 森口の受け身
2 「好き」を抜かせる人
3 不自然=自然ではない森口の内実
八章 『告白』のリアリティ──優等生の孤独
1 『告白』のリアリティ
2 優等生の孤独──優(い)等(い)生(コ)でいるのはつまんない
3 優等生の歴史
4 優等生の孤独の背景──このように優等生はつまんない
5 「まじめな優等生に私は味方する」
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