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にわか魔女のタマユラさん
文学「喫茶たまゆら」は、並木通り商店街にある、町でひょうばんの喫茶店です。ある日、店主のタマユラさんは、お客のヨルさんというおばあさんから黒いカバンをあずかりました。おそるおそる開けてみると、はいっていたのは、なんと “魔女の持ちものセット”。 しかもタマユラさんは、気づかないうちに、魔女のふしぎな能力をみにつけていました。相手が動物でも植物でも道具でも、名前をつけただけで、たちまち話せるようになっていたのです!とつぜん “にわか魔女”になってしまったタマユラさんと、カバンからとびだしてきたなかまた
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任侠俳句―八九三の五七五
詩/短歌/俳句かつて任侠団体にも機関紙がありその中に投句欄があり、ヤクザの心情、体験をもとに詠んだ俳句が多数ありました。本書はそれらの中から昭和の匂いの漂うしかもリアリティある俳句を選句、それに俳句に造詣の深い二人の解説が加わり、味わい深い独特の俳句集となりました。【目次】はじめに――往復ハガキで弟子入り志願第一章 三十歳上の師匠に入門通い弟子での修行は約四年間芸人とお客さんの不思議な関係思い出の「新花月」も今はなく……奥さんは美人の「あ~ちゃん」師匠を絶句させた花丸兄さん師匠の運転手はつらい桂春団治の有名な
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ねこの小児科医ローベルト
ファンタジーよなかに、ぐあいがわるくなった子どものところにきてくれるおいしゃさん、それがねこのローベルト先生です。こんやは、どんな家にいくのでしょうか?寡作ながら、読者に強い印象を残す作家 木地雅映子と、独特の世界観と絵で人気の漫画家 五十嵐大介による、あたたかでやさしい作品です。
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猫間川をさがせ
文学商業の中心地として栄えた近世の大阪はまちに堀川が巡らされ運送路として利用されていた。近代都市化のなかでそれら堀川には埋め立てられて姿を消したものも多い。西横堀川、長堀川、蜆川、鯰江川……。それら埋められた川のなかで唯一、自然河川でありながら現在完全に埋め立てられて姿を消した川がある。その名を「猫間川(ねこまがわ)」という。大阪に住む人たちからもほとんど忘れ去られようとしている猫間川を記録と記憶の両面から残しておくべく、河口部から幻の源泉部までを追った。【目次】序章河口物語のなかの下流鵲橋幻影中道
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野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想
エッセイ本書には、平成史を彩った数多のスター、政治家などが次から次へと登場する。オウム真理教事件をはじめ日本社会を震撼させた大事件を描く際の臨場感も圧巻。また、編集長として戦友のように付き合った名物記者たちを活写する筆致は深い感動を呼ぶ。著者にとっては、「有名無名」より、「人間」一人ひとりに焦点を絞ることが何よりも大事なのだ。同時代を生きてきた誰もが自らの来し方を想起できる点も本書の大きな魅力である。【目次】プロローグ 引っ込み思案だった高校時代とバーテンダー稼業第1章 講談社の黄金時代第2章 フライデ
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野原できみとピクニック
文学優弥はある日、繁華街で男子高生に絡まれていたところを、通りかかった稀星に助けられる。裕福な家に生まれ、進学校に通う優弥と、底辺校に通いながら、家計を助けるためアルバイトにいそしむ稀星はお互いの違いにとまどいながらも、しだいに惹かれあっていく。育ってきた環境が、まったくちがう2人が恋に落ちたら、見える世界はどう変わるのだろう。2人の恋が現代日本を映しだす、格差社会のラブストーリー。
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パーティは明日にして
詩/短歌/俳句あたらしくって、なつかしい。サイダーから噴き出す、あの夏の虹みたいに、十七音を駆け抜ける、カラフルな言葉たち。ひりひりと光り出す、やさしい記憶。─神野紗希(俳人)【収録句より】春光にさらして角砂糖かわいいさっきまでピアノの部屋の蝶だった桜蘂降る自転車は海の色ラズベリータルト晴天でよかったシェパードのにおいして今日も雷蛇衣を脱ぐや瞳に爛と艶コンビニの花火がしょうもなくて笑う目をほそめ三日月を研ぐペダル漕ぐ抱けばきみ定形外や藍の花漫才師去る足揃う三十三才【目次】Ⅰ ひかりⅡ 水Ⅲ エナメルⅣ 絵の具
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ハートレス・ケア
文学就職活動が難航し、やむなく有料老人ホームで介護士として働くことになった大石正人。介護の仕事に意義を見出せず退職を考えるも、今後の転職活動に支障が出ることを恐れ、せめて半年、その間だけの辛抱だと自分に言い聞かせている。利用者に寄り添う優しい介護士になんてなれないし、なるつもりもない。人気のある職業に就いた友人の話を聞いては劣等感を抱き、今の自分を「負け組」だと卑下する日々が続く。どうせ半年で辞めるのに。新しい業務を覚えながらもそう考えていた正人は、現場で働く職員たちの姿を見て、とある疑問を抱いた。
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廃園 幻想花詩譚
文学その時私はあっと声を上げた。荒涼とした風が沸き起こり、丘の上に広がる空の闇が布のように二枚にめくれ、大きくはためいて揺れた。そしてお互いに包みあうように丸まり、私を飲み込もうと覆いかぶさってきた。それは巨大な食虫花の漆黒の花弁だった。【目次】序廃園 …… 牡丹帰郷 …… ニセアカシア髑髏と蝶 …… 桜柳川 …… 椿図書館 …… カンナ器械屋の憂鬱 …… 泥の花蟬しぐれ …… 睡蓮ある弁護士の手記 …… ヒットラーの白い花巴里スフロ通り …… 音の花フルスタンベール広場 ……