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ことばと vol.8
文学今号から本誌は「ことばと新人賞」発表のための(…)文学ムックにリニューアルされました。ことばとは創刊時から、新しい、まったく新しい小説の才能を探し求めてきました。文学雑誌、小説の雑誌が数ある中、後発の小さな雑誌がするべきことは、何よりもまず、新たな価値観の提示だと思ってきたからです。新人賞は、いわばその核心です。 ――佐々木敦(巻頭言より)【目次】【第6回ことばと新人賞】佳作 井村日出夫「教室教室」佳作 福原悠介「何もない部屋」選考座談会(江國香織、滝口悠生、豊﨑由美、山下澄人、佐々木敦)【創作
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句集初鏡
詩/短歌/俳句「出囃子に襟元正す初鏡」「初鏡形見の帯の結び癖」を冒頭句に、橘家圓蔵師匠との落語家としての巡業の旅の句、そして花柳流の名取の和服の「花衣着初めに弾じく躾糸」父母への思い「涅槃西風匂ひ薄れし父母の部屋」「花疲れ連れ添ひ乗れるワンメーター」などの句、句会での吟行の旅の句、粋人としての「五月雨や店を畳むと女文字」「漱石忌躓き飛ばす猫の皿」「餅二つ喉を通過の寿」の俳諧味ある傘寿の著者の160句の初句集。出版/喜怒哀楽書房【目次】序 岡部恒田新年(十二句)春(三十二句)夏(三十八句)秋(三十四句)冬(四十
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花に誓う
文学収められた四作には、どの一編にもそれとなく作者自身の影が映っていて興味深いが、読み込むと、それらが繋がって自ずからもう一つの隠れた物語を形成している。それはあたかも美しいレース編みを見るようで、私は何度も感嘆させられた。思うに、これは純真な少女時代に紡いだ物語への夢を曲げることなく育ててきた作者の情熱の賜物であろう。(文芸評論家 勝又 浩)【目次】花に誓うそよ風に乗ってめぐり会い高原のル・スタージュ
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ひらめちゃん
エッセイ大丈夫ではない。大丈夫ではないけれど、生きている。平成の、たっぷり笑えてちょっぴり泣ける子ども時代の思い出--。【目次】トイレマップ①カスミで海外旅行伊藤と国語②現代文の裏ワザ気に食わないカタカナ③いたずら電話憧れの④体育着の裏エンドレス牛乳⑤病院の待合室「幼なじみ」を想う⑥ラスカルのお皿こわくてたまらなかったこと⑦町村合併未遂セルフ金髪⑧家庭訪問の日すぐちゃんの髪の毛とホームステイ⑨踊る餅誕生日の電話⑩花よりレモンティーひらめちゃん⑪真夜中の西武無敵の先生⑫冬の風物詩「なんで泣いてんの?」⑬成
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山を越え渓を渉る
詩/短歌/俳句著者十代半ば過ぎからの、六十年を越える思念と文筆作品、とりわけ短歌・長歌を主体とした歌集、ならびに禅僧中川正壽の仏道に関する随想録。海外における仏教実践者としての現代日本仏教に対する鋭い視線を真摯に語る「人間だから坐禅する」の教えは、現代の悩める日本人の導きになるだろう。また時に赤裸々な恋の思いの表出が、著者のまっすぐな生き方と人生論を力強く語っている。短歌・長歌と仏道への不断の精進を柱とする、稀有なる一冊!【目次】第一部 禅すれすれ(中川正壽随想録)第二部 相聞の章(思い人との交換メールと短歌
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私の孤独な日曜日
ミステリー映えないからこそ、愛おしい。自分を見つめる17人の休日ひとり時間の過ごし方休日のひとり時間、あなたは何をして過ごしますか?――世代やバックグラウンドの異なる17人による、ひとりで過ごす休日についてのエッセイ・アンソロジー。20代から50代まで、独自の視点と感性で文章を書く人たちに執筆を依頼。書き手の肩書きは、事務職、マーティング職、システムエンジニア、バリスタ、専門紙記者、大学院生、イラストレーター、書店店長、ライター、ひとり出版社経営者など。無名でありながらも、その人ならではの「孤独」の風景を
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わたしが歩んだ医師の道 ——夢・努力・父母の愛——
エッセイ一人の医師の歩んだ道。北海道の小さな町に生まれ、父母は農園を営み身内に医療の関係者もないなかで医師になりたい、人のためになりたいという夢を実現した。75歳を迎えてすべてをふりかえり自分史を書き記す。故郷へそして父母への深い愛の数々が語られる。【目次】はじめに第1章 私の生い立ち第2章 古里増毛の四季と医師への夢第3章 医師への夢を目指して第4章 医師への夢とクラブ活動第5章 医師への夢と志望する医師像第6章 医師として 臨床医・研究者・教育者第7章 大学を定年退職後の私おわりに 後輩への一言を添
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月刊 ココア共和国 2025年5月号
詩/短歌/俳句毎月読者から詩作品を募り、新鮮な抒情や、理論と方法論の実験に満ちた素敵な作品たちをていねいに編んでいます。その投稿詩は、秋吉久美子賞、いがらしみきお賞、YS賞への応募作とみなされ、3月に受賞者を発表します。今月のゲストは、秋吉久美子、いがらしみきお、草間小鳥子、滝本政博、虹乃ノラン、麦原アリノス、京のふじ、トウソクジンの8名。投稿詩傑作集として48名、佳作集には90名の詩人が登場。毎号、投稿詩を中心に編集していく予定です。詩は楽しくて、深いものだと感じてもらえる編集に努めます。【目次】今月の1行
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生きる力が湧いてくる
エッセイ「私は母と兄を自死で亡くしている。父も十代で他界し、祖父母はもういない。一度結婚をして息子がいるが親権は離婚した元夫がもっている。私はおそらく多くの人がもつ家族観をもっていない。おそらくこれからももつことはできない。」「顔の見えない読者が、ひとりでも、ふたりでも、生きたいと強く思えるような本づくりを(私は)したい」(本文より)暮らしレーベル第7弾。【目次】昼間に風呂に入る家族 生きる力が湧いてくる酔う大切なあなた祝祭の日々USO かわいいあの子優しい兄テニスが下手な女の子夜、空を見上げるUSO
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結婚or没落?~引きこもり令嬢は大魔術師の一途な愛に気づかない~ ルーニカノベルス
ライトノベルある出来事で、将来有望な魔術師オズヴァルドの不興を買ってしまったシャルロッテ。報復を恐れ、社交界デビューもせず屋敷に引きこもっていたが、強制参加のパーティで、避けていたそのオズヴァルドと対面することに。穏やかに微笑む彼の様子に、自分のことは覚えていないようだと安堵するが、なぜか彼はその後もシャルロッテをダンスに誘い、積極的に話しかけてくる。だがそのことが、オズヴァルドと結婚したい第三王女を刺激してしまい……!? いつの間にか国にとって重要人物になっていたシャルロッテは、断りづらい縁談から逃れるた