旅行などのイベント後、撮影した写真を整理するのも1つの楽しみですよね。変わりゆく姿を撮りためたり、楽しかった思い出を記録するのに適した写真。今回の特集では、写真がたくさん収録された本を集めてみました。スマホで気軽に撮影もできるようになったこの時代に、撮るだけではなく観ることも含めた写真のある生活を楽しんでみませんか。
この本の書評
ブッダボウルをインスタグラムで検索すると、膨大な量の写真がヒットするものの、ヴィーガンでもないし、キュウリにアレルギーがあって、冷たい食べ物が比較的苦手な筆者には、何一つ魅力が分かりませんでした。色鮮やかにし過ぎてる感じもあって、こんなにハイコントラストな食べ物はどうなのかとか、彩度の低い食事に慣れた日本人としては思ってしまいます。
前田まり子著「ブッダボウルの本」は、そういう通り一遍の、ブッダボウルに対する偏見のようなものを払拭してくれる意味で、ありがたい本と思えました。そこに書かれているレシピの半分くらいは、何と、ブッダボウルに最も向かない嗜好の私でさえも、「あ、おいしそう」と思えるのです。ポイントは、ポテトやナッツなどの穀類の使い方なのかもしれません。きちんと、食事として楽しめるバランスが取れていて、「ブッダボウルらしさ」のようなものよりも、「食事として楽しめる」メニューになっているのです。見た目にしても、テーマごとに揃えられた色彩を食材の選び方や調理法で表現していて、無理がありません。その意味では、ネットにあるブッダボウルよりも彩度もコントラストも低めなのですが、ちゃんとキレイでおいしそうなのです。
テーマとコンセプトとデザインがきちんとおいしそうに繋がっているというのは、要するに構成力で、ブッダボウルも、当たり前に料理の一つの方法だという事が伝わる本なのです。そして、これを読んで、私なりに考えたブッダボウルは、野菜天丼。彩度は思いっきり低いけれど、完成度は高いと思うのです。
Instagramフォロワー10万人以上、アカウント凍結6回。女性から熱烈に愛され、女性を熱烈に愛する写真家、待望の初作品集。度重なるアカウント凍結により、現在はweb上で閲覧不可能な作品群の中から、特に人気の高い作品を厳選したベリー・ベスト・オブ・相澤義和。「リアルだけど幻想的、個人的なのに共感できる視点、現実にいそうでいない素敵な女の子たち、生々しいのに美しいセクシュアリティ、もうすべてがパーフェクトな作品にメロメロです」(善利あさみ)「男の人が好きな女の人に見る景色ってこんなにそそられるんだなって知りました」(平岡佐和子)
中島梓はパーティや観劇などに外出する時ばかりでなく、日常生活も着物で過ごすことが多かったほどの着物愛好家だった。自身で運営するホームページ、神楽坂倶楽部でも着物に関するエッセイをいくつか連載していたが、本書は2005年から翌年にかけて連載された「着道楽」が収録されている。またエッセイのほか、生後まもない頃から亡くなる前月のライブまで、他で見ることの出来ない貴重な着物姿の写真90点以上を集めたアルバムも収録している。
この写真集は1967年から2017年秋までの個人的な写真である。作家の片岡義男の短編集『ロンサム・カウボーイ』に触発された写真家・佐藤秀明による、小説に登場する町や風景、男や女の全てが撮らえられたアメリカと言ってもいいだろう。自分自身ロンサム・カウボーイとなり放浪し撮影したアメリカの姿がここにある。乾ききった荒野に囲まれての孤独な旅、最大の慰めは、昔、ファインダー越しに眺めた風景が荒野の中のそこここにまだ残っていたことだと佐藤秀明は述べている。アメリカの持つ普遍的な風景もあれば、新しい、知らなかったアメリカも見ることができる。
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1981年に刊行された佐藤秀明と片岡義男による海を巡る写真と対話。当時41才の片岡義男と38才の佐藤秀明の会話は「海」を限りなく具体的に語る。海の誕生から成分、波が生まれる科学。のんびりと、駄話を交えながら、海のように話はうねり、海と対話する波乗り達の話へ。サーファーという言葉は使っても、サーフィンとは言わない。「波乗り」と言う二人には、「波に乗る」という行為そのものに意味がある。モンシロチョウが波に乗る話をしても、海に何かを仮託するような話はない。それが二人の海との距離。100マイルなのだ。