作品数:808作品
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  • 花の旅路の書影 330円 2018/03/30

    花の旅路

    壺井栄 文学

    どんどん焼きやの小母さんは、村の人から「おあな」だの「あな婆さん」だのと軽べつしたような調子で呼ばれていた。それは小母さんがどんどん焼きをしている土間のすぐうしろの部屋で寝ている平吉じいさんが、障子ごしにおあな、おあなと呼び続け、それが買い物客に筒抜けだから。「おあな、おあな、と仲のええことじゃのう」と冷やかす客もいるが「あれが阿波屋の娘のなれのはてかい」と感慨を新たにする者もある。今ではしがない暮らしのお花さんではありますが、たった一つ、お花さんには人の知らない宝ものがありました。

  • まずはめでたやの書影 385円 2018/03/30

    まずはめでたや

    壺井栄 文学

    詩人生田春月の詩碑は私の生れた村の墓地のある小さな丘の、海の見渡せる景勝の地にあった。そこには私の祖父の墓もある。それへの思いと同じつながりでいつも春月碑をたずねていた。思想犯の夫を刑務所にさらわれていた私は、詩碑への道すがら幾人かとすれ違うが、むこうはだまってゆきすぎ、ぜったいに話しかけてこない。詩碑から立ち去ろうとしたとき、足音を聞き立ち止まった。薪を背負った男が近づいてくるのをみて碑のうしろにかくれようとすると「おしまい」と突然の仕事じまいのあいさつをされた。それは笑顔の茂やんだった。

  • 屋根裏の記錄の書影 385円 2018/03/30

    屋根裏の記錄

    壺井栄 文学

    黒々とそびえ立つ山の麓にひそやかに眠っている島の南端S港の村。三百戸足らずの家々がかたまっていて、この真夜中に起きているのは宿屋と料理屋と駐在の赤い灯と、そして汽船宿だけである。それからもう一軒、飲食店「おきん」があった。コウはおきんの裏に立てましした四畳半の屋根裏の部屋で思春期をおくる。おきんと屋根裏部屋に出入りをする人たち。コウの記憶に消しがたい印象を残した数々の女たち。その一人にすま子も入っていた。

  • ぼくらは海への書影 880円 2018/02/25

    ぼくらは海へ

    那須正幹/安徳瑛 文学

    「学校と塾との往復だけが人生じゃない」誠史たちは筏作りに熱中し、そして航海に出る。大海原を夢みる少年たちを通し、現代社会の矛盾を描いて、児童文学界に衝撃をあたえた傑作長編。

  • 手間のかかる姫君——夫、今岡清が選ぶ栗本薫短篇集の書影 560円 2018/02/20

    手間のかかる姫君——夫、今岡清が選ぶ栗本薫短篇集

    栗本薫今岡清 文学

    栗本薫の担当編集者であり、また夫として30年以上に渡り生活を共にした今岡清が、個人的な思い出深い作品を集めた作品集。江戸川乱歩賞受賞で華々しく文壇デビューしたのち、初めてSF-マガジンに登場した「ケンタウロスの子守唄」、ふざけ散らしたユーモアSFでありながら文明批評でもある「エンゼル・ゴーホーム」、日常の会話から書き始められたものの中断していた原稿の発見された「手間のかかる姫君」、マンガ家に憧れていた栗本薫の唯一のマンガ作品「日々是好日」ほか六篇を収録。 【目次】 序 ケンタウロスの子

  • 本で床は抜けるのかの書影 275円 2018/02/20

    本で床は抜けるのか

    西牟田靖 エッセイ

    本を書くとはどういうことか? どんな現実の中に人は本を書くことと向かい合っているのか? 本で床抜け騒動が起こってから身の上に生じるさまざまな現実を一人の作家の目を通して語った、もの書きの毅然として生きていくことのほろ苦くも励まされるストーリー。Webマガジン航でデジタルとしてスタートした連載が本の雑誌社より単行本として発刊、クリーンヒットとなり電子本として戻って来た。生まれた川に戻る鮭の例えのように、この本の背景には本とデジタルにまつわる問題の彷徨が写し取られている。 【目次】 1 本で

  • もしもあの時の書影 406円 2018/02/15

    もしもあの時

    山岡丸悧 ライトノベル

    ワンルームの賃貸マンションに暮らす未婚の派遣OL山田美香は、とうとう40歳の誕生日を迎えた。レストランで女友達たちに誕生日を祝ってもらい帰宅すると、宅急便で、未来の「親類」からの誕生プレゼントが届く。 それは、ポータブルタイムマシーンだった。その装置は、強力な3D電磁場を発生させ、設定した年月にタイムスリップする事を可能にする。 常々「あの時、違う行動をとっていたら、今頃は、どんな暮らしをしていただろう?」と思っていた美香。そこで美香は、過去の人生の分岐点に年月をセットし、電磁場に入る。

  • コミュニケーション不全症候群の書影 505円 2017/12/25

    コミュニケーション不全症候群

    中島梓 エッセイ

    栗本薫の筆名でグイン・サーガ、伊集院大介シリーズほか数多くのベストセラーを生んだ中島梓が、1991年に発表した書き下ろし評論。おタク、ダイエット、女性による男性同性愛への関心などを扱い、変容する社会において危機的な状況におかれた自我のあり方を、自身も拒食症・過食症に陥り、また「真夜中の天使」を嚆矢としてやおいと呼ばれるジャンルを拓いた体験を踏まえつつ描いた問題作。刊行当時若者の共感と批評家からの絶賛を浴びたものの長らく絶版となっていたが、いま電子版として復刊される。解説・藤本由香里。 【目

  • アーマードール・アライブ IVの書影 437円 2017/11/01
    注目作品

    アーマードール・アライブ IV

    FunnyCreative ライトノベル

    人工知能を操り人類を殺戮する謎の電子汚染現象【ゲーティア】の出現によって、滅亡の道を歩む世界。残された人類は自我を持つ人型兵器【アーマードール】を開発し、心無き機械たちとの戦いを繰り広げていた。 学長の計らいで、海沿いの温泉旅館へ修学旅行にやってきた訓練学校の生徒たち。海に水着に温泉に、ハメを外してはしゃぐ人形たちと、それに巻き込まれる愛生文楽。だが楽しい一時を過ごす彼らの陰で、文楽の正体を知る者たちが、密かに彼を狙って動き始めていた――。

  • オリエント急行殺人事件の書影 770円 2017/10/25

    オリエント急行殺人事件

    アガサ・クリスティ ミステリー

    大雪のため立往生した国際列車の車内で、富豪の老人が殺された。犯人は乗客の中にいる。しかし、乗客の全員に完璧なアリバイがあって……。大胆なトリックとポワロの名推理が冴えわたる。アガサ・クリスティの代表作であり、映画の原作にもなった傑作ミステリー。

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