内容紹介
メディアの河を渡るあなたへ 小谷正一物語
著者:岡田芳郎
プロデューサーとして日本のメディアの興隆に、着想と執念と人間力で挑んだ男、
小谷正一の物語
メディアに生きる者にとって、知らずに済ますことのできない人があり、時代があり、事件がある。小谷正一こそ、その人そのものだろう。未知なるものに果敢に挑むその姿は、ある時は愚か者にさえ見られてきた。時が経ち全貌が明らかになるにつけ、先を歩いた者の大きさをいやがうえにも私たちは知ることになる。「いつだって時代は過渡期だし、キャンバスは真っ白」であることをあらためて、しみじみと、紐解きたどる時が我々には訪れる。
はじめに
序章 一九四六(昭和二十一)年二月
第一の闘い 「夕刊新大阪」闘牛
第二の闘い 「毎日新聞」プロ野球 パシフィック・リーグ創設編
第三の闘い 「新日本放送」開局ラジオ局の立ち上げに参画
第四の闘い 「ふたたび新大阪新聞」覆面小説
第五の闘い 「ラジオテレビセンター」オイストラッフ
第六の闘い 「電通」吉田秀雄
第七の闘い 「デスクK」日本万国博
終章 一九八三(昭和五十八)年一月
おわりに
広告の五十年 著・小谷正一
小谷正一いろはかるた
音声採録 小谷正一さんの生の声
著者紹介
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岡田芳郎(おかだ よしろう)
早稲田大学政経学部卒業後、1956年に電通入社。
62年小谷正一のつくったプランニングセンター創設メンバーのひとりとして参加。その後、小谷が電通を離れても一生付き合いを続けた。営業企画局次長、コーポレートアイデンティティ室長などを経て電通総研常任監査役を務め98年に退職。大阪万博「笑いのパビリオン」企画、「ゼロックス・ナレッジイン」はじめ数々の都市イベントをプロデュース。電通のCIビジネスへの取り組みにリーダーとして、アサヒビール、NTT、JR、東京電力はじめ数多くのプロジェクトを推進した。
書評
すべての”普通”は、かつては”挑戦的なアイディア”であったはずだ。
勇気をもって、時代のキャンパスに筆を走らせた”誰か”が、必ずそこにはいた。
“普通”を更新するという、とてつもなくドラマティックな物語。
しかし、その物語の主人公は”詠み人知らず”となることを宿命づけられている。
誰が、世の中を変えたのだ。
世の中を変えるとは、いったい、どういうことなのだ。
それがこの本には書かれている。
僕は、彼に会いたかった。
水野良樹(いきものがかり、HIROBA)