科学はひとつ 宇宙物理学者による知的挑戦の記録
エッセイ 2420円販売終了
作品説明
2011年3月11日、東日本大震災という未曾有の危機に人々が直面したとき、細分化されすぎた科学の専門家集団は、目の前の事態に対して無力であった。その惨状を前に、宇宙物理学を専門とする筆者は「科学者が勇気をもって、社会問題に対して発言する」ことの必要性を痛感し、自身の手記の公開を始める。「本来、科学はひとつである」との思いを支えに、原発事故後の対処策から、津波発生原理の再検討、気候変動、銀河とブラックホール、生命の起源、科学論まで、現代の碩学が12年にわたって語り続けた知的挑戦の記録。
【目次】
はじめに
第1章 福島第一原子力発電所事故
解説
植物による放射性セシウム汚染土壌の浄化について
ほか4篇
第2章 地震と津波防災
解説
東海地震について
ほか6篇
第3章 天体物理学
解説
降着超大質量ブラックホールにおけるZeV(10^21 eV)加速
ほか8篇
第4章 気候変動
解説
過去2,000年の気温変化と王朝の盛衰
ほか10篇
第5章 生命の起源
解説
蛇紋岩化反応による非生物的メタン噴出
ほか11篇
第6章 種の起源と生物進化
解説
人類の起源:放射線被曝と脳容積拡大
ほか9篇
第7章 科学論
解説
佐久間象山、大山益次郎遭難碑
ほか12篇
第8章 書評
解説
サハロフ回想録
ほか6篇
第9章 ルーツと青春
解説
母の故郷訪問
ほか6篇
あとがき