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作品説明
主食であるコメ・コムギの栽培から、コムギの加工食品である「餅(へい)」「麺」、農具の発展、お茶・野菜の栽培、養蚕のための桑の栽培、肥料まで、中国における農業の歴史を史料から掘り起こす。
近代以前の農業は有機栽培であり、自然に存在する材料を使って作物を育て、人間や家畜の食糧・飼料とし、さらにその排泄物を作物に施して肥料にする。この自然と人間の循環関係を続ける営みは、いま注目されているSDGsの課題に正面から応えるもので、農業史研究はきわめて現代的な課題を追究する分野でもある。
【目次】
まえがき
序章 中国農業史の空間、時間、視点
附篇 中国農業史関連史料の解説
一章 田植って必要?――田植法略史
コラム1 江南の水利施設――古墓・史跡調査記『記憶された人と歴史』から
二章 乾燥地だって農業ができる――華北乾地農法の開発と二年三毛作
三章 餅はモチでなく、麺はうどんではない――『斉民要術』と『太平広記』から
補論 中国史上の蕎麦
四章 犂のトリセツ――長床犂略史
五章 「日常茶飯事」っていつから?
六章 唐の都・長安の畑から――カブラ類略史
七章 綺羅、星のごとし――絹織物は桑の葉でできている?
八章 「糞」の行方――肥料略史
終章 農業は永遠(とわ)に続く
コラム2 この上なく〈自由〉な人々よ
あとがき
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