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窓、その他
詩/短歌/俳句日々の労働と都市で生きる者の日常。他人からすればどうでもよいかもしれない、ただ、見過ごせないことやもの。静かな内省を基底におきながら、希望と祈りが自然とわきあがる。現代歌人協会賞を受賞した第一歌集、待望の新装版!【収録歌より】たんぽぽの河原を胸にうつしとりしずかなる夜の自室をひらく口内炎は夜はなひらきはつあきの鏡のなかのくちびるめくる少しひらきてポテトチップを食べている手の甲にやがて塩は乗りたり湯船ふかくに身をしずめおりこのからだハバロフスクにゆくこともなしわが胸に残りていたる幼稚園ながれいでた
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緑の祠
詩/短歌/俳句「新鋭短歌シリーズ」での初版刊行からちょうど10年。『緑の祠』以後の作品を増補し、五島諭の全短歌作品を集成した一冊。 「『緑の祠』に、高校の教員になったばかりのころの作品を加えた今回の改訂をもって、短歌の近くに身を置いた時代に、一区切りついたと感じている」(新装版のあとがきより) 【収録歌より】ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋怪物もきれいなほうがいいなあと夕陽に向かってかざす羽箒身の丈に合わない品はかなしむに足る身の
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乱反射
詩/短歌/俳句現代短歌新人賞と駿河梅花文学賞をW受賞し、映画化もされた小島なおの第一歌集が新装復刊。 【収録歌より】こころとは脳の内部にあるという倫理の先生の目の奥の空もう二度とこんなに多くのダンボールを切ることはない最後の文化祭講堂で賛美歌うたう友達のピアスの穴を後ろから見る噴水に乱反射する光あり性愛をまだ知らないわたしなにもないこともないけどなにもない或る水彩画のような一日【目次】目 次緑の祠サウンドトラック小説ゴーヤを植えたあした晴れたら夕日へ天狗蝶、捕まえました身の丈〈i〉をめぐって同時通訳パイロット
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ピンクの車いすを街の風景に
エッセイ今、少し疲れているあなたに、手に取って読んでほしい。頑張らない生き方を、私は応援したい。だって、あなたはずっと頑張ってきたんだから。第21回日本自費出版文化賞「個人誌賞」受賞作品! 母は、高校生になった私に言った。「永久子には永久子の人生がある。ママにもママの人生がある。永久子はいつかは一人で生きていくの。」その時の私には、母の言葉の真意がまだわからなかった。母が目指したものは、障害のある我が子の自立ではなく、障害のある私からの、“母の自立”だった。18歳で家を出て、大学時代に社会福祉士の国家資
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月刊 ココア共和国 2025年9月号
詩/短歌/俳句毎月読者から詩作品を募り、新鮮な抒情や、理論と方法論の実験に満ちた素敵な作品たちをていねいに編んでいます。その投稿詩は、秋吉久美子賞、いがらしみきお賞、YS賞への応募作とみなされ、3月に受賞者を発表します。今月のゲストは、秋吉久美子、いがらしみきお、森崎葵、恵矢、むきむきあかちゃん、トウソクジンの6名。投稿詩傑作集として52名、佳作集には79名の詩人が登場。毎号、投稿詩を中心に編集していく予定です。詩は楽しくて、深いものだと感じてもらえる編集に努めます。【目次】今月の1行 - 木盾楯秋亜綺羅 -
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不愛想な治療士は初恋の幼なじみを逃がさない ルーニカノベルス
ライトノベル街の工房で働くヴィオリーナは、成人を目前にして、ある悩みを抱えていた。亡き父の弟子であり、密かに想いを寄せてきた異民族の青年ルシエルとの関係についてだ。彼は軍の優秀な治療士として活躍する一方、家事能力がなく、部屋はいつも散らかり放題。そんなルシエルの世話を焼くことで特別な繋がりを保ってきたが、彼からは妹以上に見られていないとも感じていた。いい加減、彼から離れなければと思うヴィオリーナは、知り合いの男性の誘いを受けて食事に行くことにしたのだが――。そのことを知ったルシエルが、これまで見せたことのな
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家出してカルト映画が観られるようになった
エッセイ日本経済新聞「プロムナード」の大好評連載に書き下ろしを加えて書籍化。『椎名林檎論』などが話題を呼んだ映画研究者の初エッセイ集!「ここにおさめられたエッセイには、個人の人生の息苦しさと規範から逸れてゆく解放感、日常の些細なシーンにおける疑問や葛藤、そして怒りや歓び、あるいは非日常の時間に遭遇した、かけがえのない経験が記されている。社会が決める正しいルートなどない。多くの人が、他人にではなく、自分自身の人生を豊かに感じられる道を歩んでほしい、そういう願いが込められているように思う」(著者あとがきより
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LPの森/道化師からの伝言 石田柊馬作品集
詩/短歌/俳句川柳性を徹底的に突き詰め、「妖精は酢豚に似ている絶対似ている」などの作品でも知られる現代川柳の先駆者・石田柊馬(1941~2023)。没後2年目に出版となる、晩年の作品と「道化師からの伝言」「世紀末の水餃子」ほか代表的な評論を収載した作品集。【収録句より】高齢者と呼ばれナスカの地上絵よ少年もコンビニも美しい突起キャラクターだから支流も本流もその森にLP廻っておりますかこうなればじゅごんじゅごんと呼ばせてやる【目次】【目次】第一部 川柳句集Ⅰ ナスカの地上絵Ⅱ LPの森Ⅲ 井上上等兵の150年第二
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現代短歌パスポート5 来世イグアナ号
詩/短歌/俳句斉藤斎藤 山崎聡子堀静香 吉田隼人井上法子 佐々木朔石井僚一 丸山るい野口あや子 内山晶太【目次】佐々木朔「新市街」井上法子「碧瑠璃」丸山るい「遠景」堀静香「ひらひらと四股」野口あや子「サブスク」内山晶太「逃げてゆく馬たちの」山崎聡子「越冬隊」斉藤斎藤P「呼吸のように」吉田隼人「nunc aeternum」石井僚一「ありがとアーメン、さよならグッバイ」
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現代短歌パスポート4 背を向けて歯軋り号
詩/短歌/俳句岡本真帆 染野太朗くどうれいん 鈴木ちはね永井祐 阿波野巧也鳥さんの瞼 手塚美楽瀬戸夏子 野村日魚子【目次】岡本真帆「夏の骨 風の高台」永井祐「ピクチャーディス」瀬戸夏子「わたしに黙って死体を隠して」鈴木ちはね「AEON FOOD STYLE by daiei」野村日魚子「医学」阿波野巧也「祭りのあと」鳥さんの瞼「変形」染野太朗「ろくでもない」手塚美楽「あなたがわたしにできることはなにもない」くどうれいん「龍」
