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BLUE SKIES <矢代俊一シリーズ5>
ボーイズラブH・I・Vに罹患し死を目前にする早瀬充のために、残虐な陵辱をされた相手にもかかわらず彼に捧げるアルバムを作った矢代俊一。その俊一に感動した勝又英二はひとたびは人が変わったように穏やかになったが……金井恭平への恋情もまたいや増していく俊一は、金井恭平、勝又英二の二人への想いに引き裂かれていく。そして俊一の気持ちが自分から離れて行くと思い込んだ英二は、俊一を失うことへの恐れのために俊一を殺して自分も死のうとすら思い詰めてしまうのだった。矢代俊一シリーズ第5巻。 【目次】 1 2 3 4
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NEVER LET ME GO <矢代俊一シリーズ4>
ボーイズラブ矢代俊一は自分を無法に陵辱した早瀬充がH・I・Vに冒され余命幾ばくもないことを知る。そして恨んでもあまりはるはずの早瀬の生涯にある種の共感を覚えるが、彼自身もまた、H・I・Vに罹患しているかもしれず検査結果を待つことになる。しかも、勝又英二との同棲生活のうちに初めて他人への愛情に目覚めるようになっていた俊一だったが、20年来の親友だったはずの金井恭平も密かに彼を愛していることを知ってしまう。そして英二への愛情、金井への思慕の板ばさみに苦しむ俊一はのっぴきならぬ窮地に陥ってしまうが……シリーズ第4
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CRAZY FOR YOU <矢代俊一シリーズ3>
ボーイズラブドラム勝又英二、ピアノ森晃市、そして国際的な活躍をするベテランベーシスト、サミー井上の参加によって、矢代俊一グループはようやく大きな飛躍の端緒についていた。また、矢代俊一自身も勝又英二との生活によって人間的に大きく変わろうとしていたが……その彼の許に届けられたのは、妄執によって矢代俊一を残虐に仲間に陵辱させた早瀬充からの、おぞましいビデオや写真と残虐な殺害を予告する脅迫状だった。矢代俊一シリーズ第3巻。
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SOFTLY,AS IN A MORNING SUNRISE——朝日のように爽やかに <矢代俊一シリーズ2>
ボーイズラブふとしたきっかけで参加したセッションで、矢代俊一は勝又英二、森晃市の二人と知りあった。その出会いは結城滉の突然の死、サミー井上の渡英によって停滞を余儀なくされていたバンド活動に新たな展開をもたらす。しかし、新メンバーを率いてのミュージカルの仕事の現場で出会った一人の俳優が、ようやく本格的に活動を再開しようとする彼に結城滉の死の真相を突きつけるばかりか、残虐きわまる事件をもたらすのだった。矢代俊一シリーズ第2弾。
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YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS——恋の味をご存じないのね <矢代俊一シリーズ1>
ボーイズラブ世界のヤシロとその名を讃えられる天才サックス奏者、矢代俊一。音楽に身を捧げ、妻との死別もマフィアとの軋轢も乗り越えてきた彼が、不惑の歳を過ぎて初めて知る、狂おしい恋の味。男性同性愛という形による、どうにもならない激しい衝動と音楽にかける想いの物語。 栗本薫が亡くなる1ヶ月前まで書き続けられた2万枚もの遺稿は、天狼プロダクションによって自費出版された後に絶版となったが、没後十年を経た今、電子版として、正伝25巻、外伝18巻(未完作品を含む)に及ぶシリーズが復活する。
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花陽炎
詩/短歌/俳句1984年に自費出版された栗本薫の短歌集。出産、育児によって活動を抑えていた1983年から84年にかけて、奔流のように湧き出した短歌が収録され、耽美、浪漫、頽廃などがキーワードとなる栗本薫の創作のモチーフが直截に表現されている。栗本薫の耽美小説群のファンのみならず、創作の源泉を垣間見させる栗本薫を知る上での好個の書。
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手間のかかる姫君——夫、今岡清が選ぶ栗本薫短篇集
文学栗本薫の担当編集者であり、また夫として30年以上に渡り生活を共にした今岡清が、個人的な思い出深い作品を集めた作品集。江戸川乱歩賞受賞で華々しく文壇デビューしたのち、初めてSF-マガジンに登場した「ケンタウロスの子守唄」、ふざけ散らしたユーモアSFでありながら文明批評でもある「エンゼル・ゴーホーム」、日常の会話から書き始められたものの中断していた原稿の発見された「手間のかかる姫君」、マンガ家に憧れていた栗本薫の唯一のマンガ作品「日々是好日」ほか六篇を収録。 【目次】 序 ケンタウロスの子
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伊集院大介最後の推理
ミステリー伊集院大介シリーズお馴染みのキャラクター、山科警視、森カオル、伊庭緑郎、滝沢稔ことアトムくんほか、『ほくらの時代』の栗本薫も登場する作品集。「月光座 金田一耕助へのオマージュ」では伊集院大介と金田一耕助が共演、「幽霊座」での耕助の推理をリスペクトを湛えつつ伊集院大介が新たに解き直すという趣向も。栗本薫逝去の前年に書かれた「誰でもない男――伊集院大介の秋思」など5編を収録し、伊集院大介の文字通り最後の推理を収める。
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十二ヶ月 栗本薫バラエティ劇場
文学未曾有の超大作グイン・サーガで知られる栗本薫が、12ヶ月にわたって小説新潮誌に連載した、12のジャンルを書き分けた作品集。 疑惑が疑惑を呼び狂気へとひとりの男を駆り立てる心理ミステリー「犬の眼」。手練れの時代小説作家もかくやと思わせる佳品「おせん」。軽妙な文体をあやつりつつ、圧倒的な筆力でラストの哀切へと雪崩れこむ青春小説「公園通り探偵団」。そして巻末を飾るグイン・サーガ外伝など、若き栗本薫の才気が爆発する。 【目次】 まえがき 一月/犬の眼〈心理ミステリー〉 二月/おせん〈時代小
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京堂司掌編全集
SF2016年に創刊40周年記念終刊号が発行された幻影城誌。その発行に際して、京堂司名義の作品が栗本薫の手によるものであることが発見されて話題を呼んだが、本書は京堂司名義作品のすべてを収録、この名義による作品は他に一切ないことからあえて書名を「京堂司掌編全集」とした。 熱烈なSFファンであった若き栗本薫による、日本SF揺籃期を彷彿とさせる掌編12編は、大河小説グイン・サーガの作者の、また違った一面をうかがわせる。解説は京堂司発見者の野地嘉文氏。 【目次】 23世紀のラッシュアワー ACT