-
花咲町奇談
文学さあ、「くすり、どきり、ほっこり」と、どんでん返しを楽しみましょう。 長年勤めた経験もあり、今回も学校が舞台となる作品を多く収録しました。昔の同僚からは「てっきり算数の本を書いたのかと思った」と驚かれたことがありました。確かに、現役のときの私は算数科が専門でした。国語科ではありません。でも、それも意外なオチと考えればショートショート的ですね。(著者あとがきより)【目次】Ⅰ章 大学の奇談 飛び出す絵本旅 前兆 お掃除ペット 長編 またの名 模範解答
-
ハヤシくん 団塊のぴあニスト
エッセイ情報誌「ぴあ」の創業者の一人である林和男の青春一代記。「ぴあ」創業の秘話はもちろん、当時のカルチャー・エンタテインメントをリアルに捉えた現代史としても貴重な資料になっている。団塊世代とスタートアップをめざす起業家に読んでもらいたい一冊。 【目次】 chapter1 映画と出会ったハヤシくん chapter2 映画監督になりたかったハヤシくん chapter3 ぴあ創刊とハヤシくん chapter4 ぴあ編集部のハヤシくん chapter5 イベントとハヤシくん chapter6
-
マレー素描集
エッセイシンガポールがイギリス領の一部だった19世紀末に総督フランク・スウェッテナムが執筆した『Malay Sketches』。それから100年以上を経た現在、アルフィアン・サアットによって新たに同名の作品が書かれた。イギリス人統治者が支配下にあるマレー人の文化や気質を支配言語である英語を用いて読者に紹介するという『Malay Sketches』の構図を大胆に再利用するかたちで本書は誕生する。【目次】改宗ふれあわない手三人姉妹パヤ・レバー 午前五時村のラジオ日没後の礼拝のあと泊まりゲイラン・セライ 午前
-
路上の陽光
エッセイ日本を舞台にした短編「遥かなるサクラジマ」も収録!10歳の少年が山で父の放牧の手伝いをしながら成長していく姿を描く「西の空のひとつ星」、センチェンジャの横暴におびえる中学校の教室を舞台に気弱な男子ラトゥクが勇気を持つにいたる「川のほとりの一本の木」、村でたった一人の羊飼いとなった15歳の青年が生きとし生けるものの幸せについて考える「最後の羊飼い」など8作品を収める。ラサは懐の深い町だ。見た目も言語も異なる様々な民族が、あらゆる通りを川の流れのように行き交っている。(本文より)【目次】路上の陽光眠
-
世界の非常識国ニッポン
エッセイ10年も前から世界に「日本のロスト・デッケード(lost decade 失われた10年)」と言われ始め、今ではこの20年もの間、日本は「無駄」に過ごしてきたと世界は言っています。しかしいくら批判されても、ニッポン人はまったく無反応で、ひたすら島の中に閉じこもってオタクを決め込んでいる日本を、アメリカのメディアはカブキ・ダンスと呼んでいます。日本が抱えている最大の癌が典型的な閉鎖社会、1億総オタク国ニッポン。【目次】第1章 日本の繁栄は誰が第2章 打ち首第3章 日本国憲法第9条第4章 押し売り「お
-
あのとき僕は シェルパ斉藤の青春記
エッセイ「人はバッグひとつの荷物だけでどこでも生きていけるのだと、18歳の春に知った。」バックパッカーで紀行作家、アウトドア雑誌「BE-PAL」などでおなじみのシェルパ斉藤はなぜ故郷を離れて旅に出るようになったのか。山村での少年時代、倒産と転校、一家離散、新宿二丁目での奨学生、未知への挑戦など、挫折しながらも明るく前向きに歩み続け、人気作家になるまでの歩みを赤裸々につづった著者初の青春記。【目次】1 少年時代2 中学時代 3 高校時代4 浪人時代5 大学時代 6 フリー時代
-
世の人
エッセイ「三回目の逮捕の後、もう本当にダメかも知れない、という気持ちと、確実になった刑務所生活を一秒でも短くしたいという気持ちから、ダルクに通所することにした。アルバイトとダルクを両立させていること(社会生活に問題がなく薬物依存を認めその治療にあたっていること)、家族、友人との関係が良好であること(社会的な受け皿があること)が、裁判において有利に働くらしいということをプッシャーの友人に教えてもらったからだった。」(本文より) 神も仏もあらへんな。【目次】ダルク体験記土井さんへらずぐち世の人中糸糸糸道の
-
月刊ココア共和国 2023年3月号
詩/短歌/俳句毎月、読者から詩作品を募り、新鮮な抒情や、理論と方法論の実験に満ちた素敵な作品たちをていねいに編んでいきます。その投稿詩は、秋吉久美子賞、いがらしみきお賞、YS賞への応募作とみなされ、3月に受賞者を発表します。今月のゲストは、秋吉久美子、いがらしみきお、城戸朱理、菅沼きゅうり、伊渓路加、真土もく、森崎葵、伊藤テル、能美政通、の9名。投稿詩傑作集として42名、佳作集には102名の詩人が登場。毎号、投稿詩を中心に編集していく予定です。詩は楽しくて、深いものだと感じてもらえる編集に努めます。【目次】今
-
歌集シンデレラボーイなんかじやない
詩/短歌/俳句1989年からの8年間、並びに2010年の約1年間の間に詠まれ、まとめられた短歌の作品群を収録。潰れぬ幸食はれぬ不幸併せ持ちトマトは坂を転がり続く少年は男とならむ吸ひ差しの煙草の匂ひゆるくまとひて街中に種と見紛ふ石ころの芽を生やさむとする振りをせり埋めらるるものを待ちゐてぽつかりと穴貪欲に己を開く半月の形にあらず幼子はこれは西瓜ぢやないと泣き初む【目次】転がるトマト(初期歌篇 雑歌)答案の束ことばなくとも小さき狂言師シンデレラボーイなんかじやない水しぶき背もたれの無き椅子(二〇〇六年)程良き狭さ
-
島のエアライン(下)
文学天草エアラインは開業4年目から業績が急降下。運転資金も底を尽き、倒産が現実味を帯びる。地域の医療も支える「島のエアライン」を関係者たちはどう救うのか!?―重整備や故障、乗客の減少、人材流出など、次々とトラブルに見舞われる。民間航空会社から社長を招き、新路線も開設するが、思うような効果は上がらない。倒産も視野に入るなか、関係者たちは"島の翼"を守るため、それぞれの持ち場で奮闘を開始する。【目次】第8章 政府専用機第9章 引き抜き第10章 経営危機第11章 上下分離第12章 経営改革第13章 買収提