山之口貘 小説全集
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作品説明
山之口貘は、近代・現代を代表する沖縄出身の詩人である。
1922年、絵の勉強を志して19歳で上京し、日本美術学校に入学するが、わずか1カ月で中退。父の事業が失敗し、約束されていた仕送りが一度も届かなかったため、放浪生活に入る。友人の下宿を転々としながら本郷絵画研究所に通った。
翌年の9月1日、関東大震災に遭遇。罹災者恩典により一度帰郷するが、22歳で詩稿を抱えて再び上京。しかし定職には就けず、再び放浪の日々が始まる。結婚までの16年間、書籍問屋の荷造り人、暖房屋、鍼灸屋、ダルマ船の運搬助手、汲取屋、鍼灸医学研究所勤務、ニキビ・ソバカス薬の通信販売など職を転々としながら、夜は公園や駅のベンチ、友人の下宿、勤め先のビルの空室などを仮住まいとして詩作を続けた。
結婚後も貧乏神に取り憑かれたような借金生活が続いたが、「生涯詩人」としての姿勢は一貫していた。そして、その生き方に呼応するように、暮らしもまた「生涯貧乏」であった。
本全集に収められた21篇の小説は、すべてが過去の生活実態を赤裸々に描いた私小説である。貘が生きた時代、そして詩が生まれた背景が、独自の飄々とした筆致で描かれている。
【目次】
自伝
ぼくの半生記
小説
ダルマ船日記
詩人便所を洗う
天国ビルの齋藤さん
詩人国民登録所にあらわる
詩人の結婚
無銭宿
お福さんの杞憂
野宿
穴木先生と詩人
親日家
貘という犬
月謝
第四「貧乏物語」
質屋の娘
関白娘
光子の縁談
第三日曜日
アルパカ・ルパシカ
詩人の一家
汲取屋になった詩人
首実験に来た客
年譜
山之口貘の生涯
