
フランスで考えた中上健次のこと 宗教二世にとっての社会物語学
エッセイ 2420円販売終了
作品説明
旧統一教会の信者たる両親のもと〈神の子〉として生まれた著者が、フランスの地で中上健次の文学に触れ、その特異な〈物語論〉に自らの出自を重ねて織り成す論考900枚──文学と社会問題を斬り結ぶ新鋭のデビュー作!
【目次】
問題の所在をめぐって
1・1 中上健次のいう物語とは何か
1・2 中上の議論を追う上で重要なこと
1・3 中上の物語論の位置付け
1・3・1 折口信夫のいう物語とは何か
1・3・2 蓮實重彦のいう物語とは何か
1・3・3 アーサー・フランクのいう物語とは何か
中上健次を読む
2・1 「中上健次」ができるまで(1946-1976)
2・1・1 三つの苗字と作家名
2・1・2 音の人、中上健次
2・2 前期物語論(1977-1982)
2・2・1 物語論の時代背景
2・2・2 差別=物語を読みなおす
2・2・3 近代=物語を読みなおす
2・2・4 小括
2・3 後期物語論(1983-1989)
2・3・1 路地=物語を読みなおす
2・3・2 日本=物語を読みなおす
2・4 余白のなかのリベラリズム(1990-1992)
2・4・1 国際的であることへの問い
2・4・2 人間として生きているということへの問い
2・4・3 総括時代を巻き戻す──少し長めのエピローグ