
日英詩集 独りぽっちの人生(せいかつ)Poetry Collection In Japanese & English The Struggling Children of the Tokyo Air Raids ―東京大空襲により心をこわされた子たち
詩/短歌/俳句 1760円販売終了
作品説明
東京大空襲訴訟は、平成十九年三月九日に東京地裁に提訴され、第二次訴訟は平成二十年三月十日に原告二十名で提訴した。(略)求める内容は国が救済しなかったことの慰謝料請求と空襲被害の調査・謝罪、そして国立追悼施設の建立である。/原告団は、空襲当時十歳前後で父母を失った疎開児童などが多数を占める。/日本の司法史上初めて孤児らは証言台に立ち、東京大空襲がもたらした自身の人生被害をわずか三十分ほどに凝縮して明らかにした。(略)/米軍による東京への空襲は昭和二十年三月十日をはじめに、四月五月と大規模に三回くり返され、死者は推定十万五千人以上にのぼった。東京市街地の六割が焦土と化した。(略)/浅見洋子が向き合った最初の原告は石川智恵子さんであった。自宅を打合せの場にした夫原田敬三の聞き取りで智恵子さんの物語に立ち会ったのが、原告らの人生に踏み込むきっかけとなり、この詩集が誕生した。/非戦闘員であり、戦争責任から最も遠いはずの子どもらは、ある日突然両親の死と直面した。「空襲でおまえの両親は死んだ」と疎開先で告げられた者。(略)/読者には、理解するよりも、共感することを願う。(弁護士・原田敬三 跋文より)
【目次】
第一章 独りぽっちの人生 ―六歳の智恵子
夕日/子守/差別/結婚/祈り
第二章 こわれた心 ―一歳の幸一
別れ/子犬のシロ/こわれた心/幸一の戦後
第三章 うばわれた魂 ―三歳の由美子
叔母の背/伯母の家で/恐怖/声/二行の命
第四章 三ノ輪の町で ―八歳のマサヒロ
空襲/母ちゃんと/三ノ輪の町ヒロポン/アルコール依存症/家庭内暴力/別れに/マサヒロの心は
第五章 沈黙をすて ―一二歳の紘子
炎のしたで/夜叉/父の実印/涼子ちゃん!ごめんね/ありがとう /沈黙をすて
第六章 六六年目の おびえ ―九歳の和子
六六年目の おびえ/戦争孤児の思い/小さなお母さん/震災によせ/戦争孤児茉莉/復興と平和を
跋文 弁護士 原田 敬三
あとがき
日英詩集に寄せるご挨拶