たましひの薄衣
詩/短歌/俳句 2090円販売終了
作品説明
ほぐれつつ咲く水中花――ゆつくりと死をひらきゆく水の手の見ゆ
人間が荒れ狂う今世紀にこのような美しい歌集が生まれたことをことほぎたい。(水原紫苑)
静謐で深い歌の探求が続けられていたことに胸を打たれる。(野崎歓)
【収録歌より】
ネロ帝の若き晩年を思ふとき孤独とは火の燃えつくす芯
たましひのまとふ薄衣(うすぎぬ)ほの白し天を舞ふときはつかたなびく
水差し(カラフ)より水注(つ)ぐ刹那なだれゆくたましひたちの歓びを見き
一生は長き風葬 夕光(ゆふかげ)を曳きてあかるき樹下帰りきぬ
【目次】
Ⅰ Figures sans figure
声の静寂
L,amante à venir
シレーヌの歎息
渡河
水際の窓
想念の湖
Ⅱ Sérénité
記憶の舫
水差し
光を漁る
静かの海
レテ河の舟
Ⅲ 禱るひと
存在の黄昏
Clair de lune
Ⅳ 静物画の日々
風の痕跡
夜の沈思
Partir, c,est mourir un peu
青海波
À chacun sa solitude
マキャヴェリの孤独
昼のテラス
不在の在
オルフェウスの弦
ナイト・プール
花咲く乙女たち
禁色
あとがき
発売日:2023/03/17
出版社:書肆侃侃房
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