廃園 幻想花詩譚
文学 1540円販売終了
作品説明
その時私はあっと声を上げた。荒涼とした風が沸き起こり、丘の上に広がる空の闇が布のように二枚にめくれ、大きくはためいて揺れた。そしてお互いに包みあうように丸まり、私を飲み込もうと覆いかぶさってきた。それは巨大な食虫花の漆黒の花弁だった。
【目次】
序
廃園 …… 牡丹
帰郷 …… ニセアカシア
髑髏と蝶 …… 桜
柳川 …… 椿
図書館 …… カンナ
器械屋の憂鬱 …… 泥の花
蟬しぐれ …… 睡蓮
ある弁護士の手記 …… ヒットラーの白い花
巴里スフロ通り …… 音の花
フルスタンベール広場 …… 桐の花
酔芙蓉 …… 酔芙蓉
緑の花 …… 緑の花
R共和国奇譚 …… 食虫花
発売日:2022/12/28
出版社:書肆侃侃房
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