ルールリテラシ― 共働のための技術
社会学 1584円販売終了
作品説明
社会にはルール違反が溢れています。学校なら遅刻、職場ならさぼりなど、ルールを作る立場に立てば罰を強化してでも違反は減らしたくなるでしょう。しかし、著者によれば、その方法はルールを罰と報酬のゲームと捉える誤解にもとづいており、ルールが持つ可能性を損ねるというのです。賞罰や道徳で誘導する方法を離れ、ルールとは他者と協力するための技術であるという認識に立ち、ルールを維持する/あえて破るなどの実践を分析すると、ルールを活かし運用する能力=ルールリテラシーが見えてきます。いじめから解釈改憲まで、ルール観を一新する実践志向の社会学書です。
【目次】
第1章 ルールとゲーム
―ルールリテラシーの大前提
第2章 ルールとペナルティ
―ペナルティでルールを守らせることができるのか
第3章 ルールの論理
―なぜルールは守らなくてはならないのか
コラム1 ゲーム理論とルール
第4章 ルールの参照可能性
―私たちはルールに縛られているのか
第5章 ルール違反と排除
―ルールを破るとどうなるのか
第6章 免責・排除・赦し
―ルールはどうすれば維持できるのか
第7章 ルールとペナルティ2
―ルールによる統制とペナルティによる統制はどのように違うのか
コラム2 言語ゲームと志向性
第8章 直接ルールと間接ルール
―命令に従っていればそれでいいのか
第9章 禁止と強制
―「してはならないこと」にだけ気をつけていればよいのか
第10章 ルールの破り方
―ルールに縛られないためにはどうすればいいか
コラム3 ルールの破り方の事例としての「解釈改憲」
最終章 ルールとは何か
おわりに―ルールリテラシーとは何か
付録 ルールリテラシーの原則一覧